2017年12月10日

クリプトンKX-1とKX-3PUの違い


どちらのスピーカーも音楽を奏でるための道具という世界観は同じである。
密閉ならではの自然で歯切れの良い低域、しっかりとした中域の再生、魅惑的な高域は同じである。
しかし比べてみると違いが感じられる。

KX-1は、音の濃淡の描き分けが兄貴より上である。音の濃いところ、漂うところ。
これはタイムドメインにも共通する良さを持っている。
音像と音場が明確に分かれていて見通しの良さを感じる。


KX-3PUは、艶やかで音が塊となって出てくる。
ひとことでいえば、「ハイファイ美音」である。
ピアノは、カツンという打鍵音のあとにコロンの響きが心地よい。
誰が聴いてもいい音である。
弦も美しく力強い再生を行う。
例えば、ラックスのA級プリメインとの同質性を感じる。

兄弟での個性の違いは、凝縮していくか広げていくか。
空間に波紋を広げていく自然な再生は弟機が優る。
どちらも良い音だけれど、ぼくは弟機が開放的でありながら端正に鳴るので好きだ。

KX-1の良いところは、一日中鳴らしても耳に負担を感じないこと。
小音量での再生は兄貴を上回るのではないかと思う。
ぼくは小さな音でしか聴かない。
それでも音楽が愉しく弾むので音量を上げる必要がない。
タイムドメインのスピーカーの反応の早さを持ち、
低域高域に周波数帯域を広げながらも
中域がぽっと浮かび上がる。
(だから小音量に強いと思う)

オンキヨーA-1VLで聴いていると
これ以上の音は要らないと思えてくる。
現行品では、マランツのPM8006などが合うのではないかと思うけれど
この組み合わせで視聴したことはない。
(品良くしかもよくうたうのではないかと)

2017年09月17日

ヤマハ ピュアストレートアーム YSA-2


このところ、フィルムカメラ、テープレコーダー(カセットデッキ、ラジカセ)、
アナログプレーヤーなどに年齢を問わず惹かれる人が増えている。
フィルムカメラなど、いまとなっては実用性があるとは言いがたく
ぼくも使っていない(ミノルタX700、ライツミノルタCL=親父の形見、ペンタックスSPF(=同)。

テープレコーダーは、いまも現役のウォークマンプロを持っている。
古いテープをデジタル化するときのために大切に保存している。

アナログプレーヤーはヤマハGT-2000はいまもラックの上にある。
友人から譲り受けたピュアストレートアームYSA-2は保管している。
http://audio-heritage.jp/YAMAHA/etc/ysa-2.html

友人とは小学校の同級生で近所に住んでいて
ヤマハA-2000、NS-1000Mを鳴らしながらユーミンを聴くのが好きだった。
結婚を機にオーディオを縮小するため、GT2000を持っているぼくに
ピュアストレートYSA-2を買わないかと持ちかけられたので
即座に譲ってもらったもの。
まだ音出しはしていないのだが、
友人宅で鳴っていた頃には
内田光子のモーツァルトのピアノソナタなどを鳴らしていた。

ダイキャストの塗装にクラックが散見されるが、内部動作には関係しない。
(YSA-2に精通した人はご存知と思うが、塗装の経年変化による持病である)
譲り受けてからリード線保護のために一度もカードリッジを付けておらず、
緩衝材の入った専用カートンで保存している。
(付属品はすべて揃っていると思っている)

ピュアストレートは江川三郎さんの考案したもので
フィデリックスの中川社長も近年のブログでその良さについて書かれている。
S字アームやストレートアームでのオフセット角の悪影響は知られている。
トラッキングエラーよりも動くところ動かないところの明確化が音質にきいてくる。
http://www.fidelix.jp/others/tonearm&turntable1.html

レコード(塩化ビニール)は弾性体なので
トラッキングエラーの音溝への影響は無視できるのではと考えている。
(レコードを長年扱っていた経験から)

写真は自宅のGT2000(アームは付属のS字)
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2017年09月16日

庭のマツバボタン フジX-T2のフィルムシミュレーションで


朝起きたら気持ちの良い太陽の陽射し。
それを浴びてのびのびと開くマツバボタン。
久しぶりに色の再現性を見てみようとテスト。

最初はフジX-T2XF35mmF1.4 Rの手持ち撮影
絞りf5.6(トリミング・調整なし プロビア)
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同じくf4.5
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このレンズ1本あれば地の果てまで旅ができそう)


今度はフジX-T2に1990年代の銘レンズ
タムロン90mmf2.5マクロ(ミノルタMDマウント)をつけて。
風があるので三脚に固定して花を見つめる。風がやんだ、それ。
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今度は同じ条件でフィルムシミュレーションで(プロビア → アスティア → ベルビア)
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フジノンとは色の再現性が違うけれど
カラーバランスが経年変化している可能性もあるので。
現行機種は、SP90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD

身近なところにある表情が生きる糧となっているとしたら
写真を撮るつもりできょうも駆け抜ける準備をしていたのだなと。

2017年08月27日

暑さ対策にこんな小さな扇風機が効果的とは


パソコンに接続するUSB扇風機は職場によっては使用禁止となっている。
USB接続がセキュリティ上の脅威となり得るとの考えからである。
しかしセキュリティや障害の脅威が特定できる状況なら関係ない。
今年の夏に購入したのが無印良品の扇風機。

小さな2枚羽根で風量切り替えで首振りはしない
(回転する機種もあるが、しないほうがおすすめ)。

風力は0(停止)、1(普通)、2(強風)。使うのは1のみ。
風がやさしいのに遠くまで届く感じがする。

ぼくは手の甲に汗をかくので
マウスを持つ右手に向けることが多い。
すると風は身体に沿って首筋や顔にも届く。

このブログにもたびたび書いているが
地球温暖化を見据えて20年計画で身体をならしてきた。
気温30度を超えても暑いとは感じない。
(もし感じるとしたら梅雨頃の高温が湿度が高い分、体感温度が高い気がする。そこで除湿器は毎日使っている。除湿器はカビ対策をねらったサーキュレーターの役割も兼ねている)

この扇風機のお陰で30度を超えても涼しい。
それにこのCDを小さな音量で
タイムドメインの卓上スピーカでで再生すれば
http://amzn.to/2wkTRqK
気分は清流オフィス。



調べてみると
製造しているのはシチズンのグループ企業、リズム時計工業。
この時計の最大の美点は洗練されたデザインもさることながら
静かなこと。

23デシベルという公称値は
市販されているUSB扇風機でもっとも静かなのではないだろうか。
しかもこの扇風機、風の質が良い。
弱い風でも遠くまで届く。
その反面、風が一本調子でないようで疲れない。
実はこの扇風機、前後に羽根を持っている。
二重反転羽根と呼ばれるこの構造に秘密がありそうだ。

購入時はセールだったので税込1920円だった。
(無印のそごう徳島店で購入)
https://www.muji.net/store/cmdty/detail/4549738967347?rec=09

Amazonなどで類似の扇風機が売られているが、
23dBの静けさは無印良品だけの取り扱いのよう。

なお、首振りしない機種を奨めるのは
より小型であるということと、
どこにでも置けるので手を伸ばして置き場所を変えれば良いだけ。
こういうものは簡素な構造だから美しく、かつ機能的なのだ。
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追記

3年以上酷使したThinkPad X240を予備に回して
SSD仕様のX270を追加。
Windows 10が数秒で起動する。
揺れや衝撃に弱いHDDと違って
SSDは鉄道やバスなどで気を使わなくてすむ。
X240の欠点であったトラックパッド一体の左右クリックボタンが復活したこと。
電池での活動時間が長いなど、良いことづくめ。

ThinkPadはIBM時代でも日本の大和研究所で開発してきたもの。
知人が560を使用していてかっこよかった。
ぼくはS30の時代からモバイルノートとして
X23、X32、X60、X201、X240と歴代使い続けて来た。
中国製はとかく機器のソフトウェアを通じての情報収集の噂がある。
レノボやファーウェイとて100%信頼しているわけではないが
その都度対処する方法はあるはずである。
レノボ・ジャパンとNECパーソナルコンピュータはすでに事業統合を行っている。
発注した機種は「米沢生産」モデル(NECのPC製造拠点)。
https://www.youtube.com/watch?v=vefpyHHQiyY
(X270はカスタマイズ受注によるものですべてが米沢生産ではなく仕様によっては中国国内での生産となる。サプライチェーンからは孤立した立地にある米沢をあえて活用するのは、レノボが日本のものづくりの高品質イメージを戦略的に使いたいからだろう。実際に中国製と較べて品質面で米沢が優位にあるかどうかは神のみぞ知ることだが、選べるのなら米沢生産を選ぶ人は多いのではないか)


ThinkPadはIBM時代より品質が落ちたといわれる。ぼくも実感する。
それは、かつて20万円を越えていた価格が
10万円台で競わざるをえなくなったとき
VE(主としてコストダウンという意味で)を行わざるを得ないということではないか。

今回の出張でも、長時間の会議、宿泊先での仕事、翌日の稼働も含めて
たった10数パーセントしか充電容量を消費しなかった。
指紋センサーは隔絶の感があり、一瞬なでただけで認識する。
ディスプレイとキーボードはX240と同等のようだ。
この入力に適したキーボードとトラックポイントがあるから
マウスを持ち歩かなくて済むのも利点。

2017年03月24日

KX-1 プリメインアンプで鳴らして比較

KX-1を購入して10か月を経過した。
相変わらず音楽を聴くのが楽しみで仕方ない。
それどころか音楽がますます近く感じるようになった。
ぼくは「ながら」では聴かないので音楽を聴くのは自分のなかで特別な時間。
KX-1でなければこの時間はなかったと思う。
だから、少なくとも聴く2時間前にはオンキヨーのプリメインA-1VLの電源を入れておく。
(このアンプは発熱はほとんどなく、省エネルギーでもある)
当初はビクターのAX-V1であった。
ピアノの響きが美しくさすがビクターと思ったが、
声が肥大気味で声の実在感を求めてオンキヨーにした。
どちらのアンプも10年以上使い込んでいるが劣化は感じない。

東京出張の折、ヨドバシマルティメディアに2日続けて通い、
クリプトンKX-1
プリメインを組み合わせて鳴らしてみた。

声が中心で楽器が少ないものを、とのリクエストに
スタッフが用意してくれたのはカサンドラ・ウィルソン。
(これは幸運にも所有していて聞き慣れていた)。
CDプレーヤーはマランツSA-14S1に固定、
以下に短評。

デノンPMA-2500NE
中域はしっかりしていてクリアだが、
ややメタリックな気配はあるのが第一印象。
中域は前へ出てくる感じはある。悪くはないが魅力にも乏しい。
半年前に聴いたときは好印象であったが、
時間の経過で変化することもある。
音楽に向かい合う時間が長くなるかそうでないかが
良いオーディオ装置とそうでない装置の分かれ目。
(これは聴く時間が長くならない、という結論。B&Wの最新機種のように)

ヤマハA-S2100
気が進まなかったが、係員の勧めで試聴。
再生音は、中域がおとなしく高域は平板。
(この印象の初手から変わらない)
これだけを聞いていると悪い音ではないが、
長い期間に付き合えるかどうかは疑問。
かつての所有していたA2000aは中低域がソフトで物足りないが
(音の輪郭、実在感はデンオンの廉価機種に負けていた)
浮游するきらめきや透明度があった。
歪み感なく高域が空間を共鳴させる澄んだ再生。
低域は豊かに響くが肥大はしない。
このアンプは発売当時、
すばらしいデザインと優雅な音質で評判となったもの。
人の気持ちに寄り添う音作りがいまのヤマハには必要ではないか。
(ヤマハは、CA400,A-5、A-6(a)、A-2000aと聴いているので音のDNAはぼくの体内にしみこんでいる)
スピーカーのNS-1000Mは音楽を聴くための楽器であった。
北欧の放送局でモニタースピーカーとして使われていたという事実もあるが、
このスピーカーが奏でる弦楽器やピアノの陶酔的な実在感は
当時の世界にこのスピーカーだけと思った。
オーディオ専門店の店主が
1000Mが世評の割に大したことを説得するために
ヨーロッパのモニターを鳴らしたことがあったが
どちらが音楽を奏でているかは一聴でわかった。
1000Mは音速の早いベリリウムの先入観があるが
実は細やかな音は得意ではない。
むしろ音像の塊感、実在感で聴かせる。
ホールトーンは苦手で高域の独特の艶は素材の特性にもよるだろう。
しかし彫りの深い音は聴いていて納得感がある。
原音再生というよりは、ヤマハのグランドコンサートにも似て
つくられた音だが、熟成してくると得も言われぬ豊潤な音がする。
(だから、いまでも人気がある)

友人宅の1000M。うちにあったA-2000aもこちらで現役だ。
ターンテーブルはテクニクスの限定モデルに変更されている。
DSXE3471.jpg

視聴に戻ろう。
ラックスマンL-550AXII
密度が高く中高域の艶と粒立ちがあり、ハーモニーの純度が高い。
豊潤というよりは引き締まって結晶化している。
A級だが天板に触れてみると発熱はさほどでもなかった。
隙間が5センチ程度あれば問題ないかもしれない。
音のアタックが水晶のようなきらめきを伴うが、
うるさい感じはなく、はっとする音の瞬間がある。
きめ細かさ、解像度はプリメインアンプでも最上級で
そこにトロンとした艶が隠し味で加わる。
部屋中にビッグバンドのジャズを
大きな音像(音量という意味ではない)で聴きたい人には向かないが
夜中に小音量で親密に音楽と向かい合いたい人には向いている。
ほんとうに良いアンプだ。

ラックスマンL-507UX
音の構えが大きく広がり感はDENON以上だが、凝縮感はいまひとつ。
声は太く音像は肥大化する傾向を感じる。
(ビッグバンドやオーケストラのスケール感はこちらだ)
ゆったりと楽器の輪郭が現れるので長時間聴ける。
かつて感じた声のハスキーさは感じなかった。
同じラックスでの比較は密度感は550に譲るが開放感は優る。
(507は友人宅ではダイアトーンDS1000Zをうまく鳴らしている)
L-550AXIIのような魅惑的な瞬間は少なく野放図になりきる。
翌日も比較試聴を行うが、やはりA級が好印象。
KX-1とであれば、現行507をあえて買う理由はない。


ソニーTA-A1ES
みずみずしく癖のない印象。中高域にエネルギー感があるが、
音楽の沈み込む表情など抑揚は出ない。
ポップスだけなら悪くない。

KX-1は、どのアンプを組み合わせても問題はないが、
(1)高域は歪み感が少なく伸びきったもの
(2)中域は存在感があるもの
(3)低域は制動が効いて音程が掴めるもの、
(4)全体は自然で誇張感がないアンプが合うのはわかっていた。
(この4つの要素はKX-1の強みを活かすための鉄則だが、優先順位は(3)だろう)

結果は買い替えるほどの必然性を感じなく、
現況のオンキヨーのデジタルアンプの質の高い低域が得られるかどうかの確信は持てなかった。
(いま見てもシンプルな回路、良質の部品と強みを絞りこんだ見事な設計)
http://www.jp.onkyo.com/support/audiovisual/discontinued_products/a1vl/index.htm

しかし、あえてプリメインをいま選ぶのなら結果は明白だ。
音楽を次々と聴きたくなったのはL-550AXII
高域の浮游するような遊離感、ほんのりと桜色の艶やかな音色、
中域の密度の高さは声をぎゅっと凝縮する。
低域はオンキヨーが上回る印象だが、弱点とは言えない。 
現役の機種では有望なプリメインだろう。
ただしA級の発熱が許容できれば。
(ぼくは深夜に音楽を聴いていてそのまま寝入ってしまう。冬はまだしもエアコンのない部屋で夏場はどうか。夏場はオンキヨーの涼しげな音に浸るという手もあるが)

→ KX-1でモーツァルトを聴く
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