2012年12月31日

カメラが描く光の園が好きだから


1. フィルム時代から
ミノルタが好きで使っている。
小さい頃使っていたハイマチックF
やわらかい写りをするコンパクト。

ライツミノルタCLは、
レンズの描く世界観と小気味の良いシャッター音を楽しむ。
D7K_4869a_NX2.jpg

X700は、フィルム時代、こればかり使っていた。
明るいファインダー内にふわっと
浮かび上がる被写体に夢中になり、
シャッター音ではっと我に返る
という感覚。
D7K_4878_NX2.jpg

D7K_4851_NX2.jpg

それゆえオースフォーカスには手を出さなかった。
やがてデジタルの時代になり、
そのうち、ミノルタ社の姿もなくなった。

2. ミノルタを受けついだソニー。DSC-RX100で飛躍

跡を継承したのはソニー。
DSC-RX100 は、
現時点でもっとも写りの良い
コンパクトデジカメといっても異論は出ないはず。

→ ソニーのWebサイトに使用者が投稿した写真サイトがある
http://acafe.marsflag.com/ja_all/search.x?q=&tag=&model=DSC-RX100&cat=photo

明るい部分にさらに光を集め、
コクのある画面を描き出す。
この画面からは幸福感さえ漂う。

マニアックなカメラももちろん良いが
このカメラは
シャッターを押すだけで良いといわんばかりの
シンプルな出で立ちのなかに
1インチセンサー、カールツァイスレンズを組み込み
高性能を隠してやわらかく存在感をアピールする。
このコンセプトが秀逸。

ぼくは、ThinkPadやカメラ(フジF31fd)、
モバイルルーターなどを
常時持ち歩いているけれど
これならポケットに入るサイズで、
鞄の内側ポケットに収納させておける。
ぱっと取り出して
優秀なオートフォーカスでささっと撮って涼しい顔、
という生活場面が浮かぶのだ。
宴の席で盛り上がった一瞬、
撮られた側さえ気付かないヒトコマ。
いつも持ち歩けると、
偶然の天候が遭遇した思いがけない光景を
さっと記録する。
それも、デジタル一眼のような画質で。

換算28oからの広角の始まりも適切。
24oからでは
常用域の描写が犠牲になる怖れがあるし
なにより気軽にかつコンパクトに高画質という
このカメラのコンセプトが違ってくる。
X700を使っていた頃は、7割が28mm1本で撮っていた。
28ミリから中望遠までカバーすれば、
日常の撮影目的は90%(限りなく100に近い)充たされる。
(レンズがあとわずか大きくなっても良いのでマクロ特性と、直感的に操作できるようなインターフェイスに改良して欲しい)

SONY Cyber-shot RX100 2020万/光学x3.6/ブラック


そう、この世界は光の園。
光があるから、そこに存在する
量子のゆらめきに意識の光を当てることが存在とも言う。
(アインシュタインは、神はサイコロを振らないと言ったが…)

写真とは、光を感じ、光を楽しみ、光で遊ぶこととしたら
まるで生きることそのもの。

人生を肯定したい人たちにとって
ミノルタを受けついだソニーの画づくりは
しっくり来るだろう。

まだ持っていない人間が書いてある。
それだけに、
このカメラを持ったらどんな場面(暮らし)が待っているかが
思い描ける。

3. 2012年のデジカメを振り返る

この際、この1年間のデジカメを綴ってみる。

現時点では、D7000(ニコン)とフジ(F31fd)を使っている。
(「空と海のブログ2」の写真はほとんどこの2機で撮影している。特に高価なレンズも所有していない。もっとも高価なものでも60/2.8マクロだけ→Nikon AF-S Micro 60mm F2.8G ED AFSMICRO60GED

ニコンの良さはよそよそしさがないこと。
人生をどこかで振り返るとき
写真はその記憶をたどるきっかけとなる。
ニコンの画質は「記憶色」というよりは
その場の空気感を伝えてくれる。
飾らないだけ飽きが来ない。
だから、カメラプロファイルは、
「スタンダード」か「ニュートラル」しか使わない。


手持ちのD7000はたったひとつを除いて
意のままになる良いカメラ、良い道具である。
それは、ミラーショック。
例えは、連射性能を落としても
掌で何も動じることのない動きにして欲しい。
(これは、上級機にも言える)。

そのため、D7000の画を活かすために
ジッツオの3型三脚を購入した。
この三脚はポールを抜いてセットすると
地上高10センチ程度のローアングルまで撮影できる。
また、高さをすべて伸ばすと背伸びしてもとどかないぐらいになる。
軽いのにぶれない(これをかついで石鎚の岩山さえ登っている)。
長時間露光や望遠レンズでのスローシャッター、商品撮影でも
何の不安もなく取り組める。


これに韓国製の自由雲台を取り付け、
D7000はカメラプレートを付けっぱなしにして
ノブ式のクイックシューで
三脚と手持ちを自在に付け替えられるようにしている。
自由雲台とクイックシューでは
縦位置の構図を取りにくいといわれるが、
この組み合わせは不安なく縦位置に倒すことができる。
(L字グリップを常時付けていてはカメラも重量増で重苦しいだろう)

D7K_4655_NX2.jpg

家電売場で各社の一眼レフを操作すると
キヤノンの中級、上級機種はミラーショックが少ないように感じる。
レンズも透明感があって華やかな絵を出すのだけれど、
「人生を肯定する」光の饗宴を描けるかどうか。
(きれいだけれど薄っぺらい感じがして幸福感を感じない。性能ではなく好みの問題なので各自お好きな画質で)

キヤノンとは方向が違うけれど、
ニコンの絵からも幸福感はそれほど伝わってこない。
なんだかいまの日本を象徴するかのよう。
繊細できまじめで
コントラストもはっきりした明快な画なのだけれど…。

しかし、ニコンはまじめなモノづくりの姿勢が伝わってくる。
ボディもレンズも使い手の意思に忠実。
心地よく撮影できるのだからあとは使いこなし。

4. フルサイズセンサーの利点

以下の機種は
実際に購入して使っていないのだけれど、
手に取った感想として。

ニコンのD600、D800はともにフルサイズ。
広角レンズで三脚を立てて風景を切り取ることができたら
どんなに楽しいだろうと思わせる。

Nikon デジタル一眼レフカメラ D600 ボディー
Nikon デジタル一眼レフカメラ D800

ニコンから近年発売された
50/1.8、85/1.8、28/1.8など
フルサイズ向きだなと思わせる。

かつてのブローニーや4×5で撮影していた風景写真は
フルサイズ高解像度の35o一眼レフに置き換えることはできると思う。
過酷な環境での学術写真や超望遠を駆使するスポーツ、
大伸ばしを前提とする広告写真などもフルサイズ向きだろう。

Nikon AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G AF-S28 1.8G
Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8GAFS50 1.8G
Nikon AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G

5. APS-Cサイズに期待

ただ、普段の撮影で
大きなセンサーサイズが必要な人は少ないだろう。
データが大きくなるのもマイナス。
フルサイズはいいなと思ってもなかなか購入に踏み切りにくい。

APS-Cの一眼は、どこの会社も広角レンズがもうひとつ。
やはり、マウント径、バックフォーカスが
フルサイズに合わせてあるからだろうし、
良いレンズはフルサイズ規格に多いのも偶然ではないだろう。
APS-Cでは
フルサイズ対応レンズのイメージサークルの
中心部を使うことになる。
確かに周辺画質では有利かもしれないが、ムダを感じる。

一般的な写真は、解像度だけでなく階調、手ぶれしないことなど
総合的な過程で判断する必要がある。
一眼レフでは手ぶれしてしまう環境でも
コンパクトカメラなら対応できるという状況も日常的に少なくない。
そう考えると、APS-Cのミラーレスは日常的な用途の95%はカバーできるはず。
イメージサークルを限定すればレンズはコンパクトになるし、
フランジバックが短いミラーレスでは、
超広角、広角はより良い画質が手頃に得られるという点で
フルサイズ、APS-Cサイズの一眼レフより明らかに有利だ。
手ぶれ補正が付いていれば、自宅でのスナップ、会場でのスナップ、
旅行先での一こまなど一眼レフに優る道具となるだろう。

このようにミラーレスは、APS-Cに特化したマウント設計が可能だ。
だから、レンズ性能を発揮しやすい。
フルサイズの流用でなくサイズを合理的に小さくできる。
APS-Cサイズは、現時点では特殊な用途を除いて
ほぼ100%に近い満足度を得ることができると思う。

それにはフルサイズ兼用ではなく
最適化したマウントが望ましい。
だから、ミラーレスの将来は明るいと思う。
ただ、なぜ、ソニーとフジでマウントが違うのか。
もし、本気で規格を普及させるのなら
話し合いにより一本化できなかったものか。
(マイクロフォーサーズでは、パナとオリンパスがマウント規格を共有している。だから好みのレンズを選べる。コシナが参入したのも大きい)


ただ、一眼レフのペンタプリズム式光学式ファインダー
「写真を撮る行為」の大切な部分を構成していると思う。
背景から被写体が浮かび上がる瞬間のときめき
光のやりとりを通じて共鳴しあうとでも言おうか。
今後も一眼レフはなくならないだろうし、
なくなって欲しくない。

ソニーのミラーレスNEXシリーズ
リズム感よく写真が撮れる。
おそらく日常的な使い心地は最高だろう。
ただし、現時点では広角から中望遠までをカバーする
日常的なズームレンズに良いモノがない。
(広角ズームは超広角すぎで日常的には使いづらい。せめて換算36mm程度の準広角までカバーしてくれたら…。単焦点はフジと互角だと思う)
もしかしたら、
1インチセンサーのDSC-RX100
間に合うのではないかと思わせる。
持つことの喜びとは何か?という点も考えてみたい。

ソニー デジタル一眼カメラ α NEX-6ズームレンズキット NEX-6L/B


フジのXシリーズの一眼はいい。
特にX-E1
レンズの揃え方が上手で描写も操作の感触も魅力的。
のっぺりとしたデザインだが、
飽きは来ないと思う。
派手な描写はしないが、色の乗りは天然色的。
同じように日本的であっても、
ニコン、キヤノンとは方向性が違う。
クールジャパンの良さが漂うとでも言おうか。
jpegで使えるのも保存性を考えると利点が多い。

ただ、オートフォーカスの速度、精度が
人の感覚にやや追随しない感覚を受ける。
次の改良点は、リズム感を持って操作できること。
メカ的な反応だけでなく、人間の皮膚感覚に寄り添うように。
(木村伊兵衛や土門拳が使ってみたいと思えるような)

ディスプレイが可動しないのも惜しい。
スナップでの速写性を売りにしたり、
その逆にじっくりと絵をつくるのなら
可動式ディスプレイは必須だと思う。
(NEXと同様に完成度はこれから高まるのが楽しみ)

FUJIFILM デジタル一眼レフカメラ X-E1 ブラック レンズキット ミラーレス 1630万画素 APS-Cサイズ Xマウント X-E1/XF18-55 SET B

オリンパスもがんばっている。
XZ-2OM-Dは通好みだと思う。
XZ-2を操作すると
インターフェイスがこなれていて直感的に使えるし、
マクロに強いのは記録カメラとして心強い。
実際に操作すると
シャッターチャンスに強いカメラだと思う。
OM-Dは
未来志向のデザインのほうが良かったのではないかと思うが。

OLYMPUS デジタルカメラ STYLUS XZ-2 ブラック 1200万画素 1/1.7型 裏面照射型CMOS 光学4倍ズーム F1.8-2.5「i.ZUIKO DIGITAL」レンズ 3.0型可動式LCD XZ-2 BLK

最後にひとこと。
技術者はインターフェイス(人とモノの意思疎通)を磨いて欲しい。
フジとソニーのミラーレスは可能性を持ちながらも
この点ではまだまだだ。
直感的に使えるとはどんなことなのか?
突き詰めて考えてみたい。
「技術」は海外に決して負けていない。
足りないものがあるとしたら、「技術思想」だ。
センサーやレンズの改良のみならず、
インターフェイスにこそ力を注いで欲しい。


  あのフクシマにもそれがあったなら…と悔やまれる。
  「想定外」という言葉を使うこと自体、
  技術思想がないことを表している。

D7000を使っているのは、
「写真の基本を知っている人間」(これが主語=想定顧客)にとって
皮膚感覚で扱えるから。
撮影モードは「プログラム」、
プロフィールは「スタンダード」。
多用するのは、プログラムシフト、
ISO感度切り替え、露出補正。
これらをファインダーから眼を離さずに即時にできる。
中央重点、シングルフォーカスにして、
AEAFロックを併用すれば事足りる。
(結局のところ、私のような想定顧客にとって納得のいく操作感は現時点では一眼レフを選ぶしかない状態である)