2013年08月29日

成熟業界にもニッチな市場、中小企業の腕のみせどころ

ブラウン管テレビの良さ

愛用のテレビ(15インチ)が、
夜の場面では闇夜のカラスを見ているようで
ほとんど見えなくなった。
設定を最大輝度に変更しても変わらない。
20年ぐらいは使っているので、
そろそろブラウン管の寿命かもしれない。

それは、ソニーの15インチのブラウン管。
購入当時の価格は10万円を越えていたと思うが、
精緻感がありながら輪郭強調のない自然な画質と
やわらかな階調で眼にやさしい。
富士フイルムのデジカメ(高級機)が好きな人には
「ああ、あんな感じか」とわかってもらえるかも。
この画面の自然さ、奥行き感は、
この時代のソニーの「プロフィール」シリーズが
最高ではないかと思う。

ハイビジョン、プラズマなど家電店の店頭で見るテレビは、
画面がぎらぎらして輪郭がきつく画面を見るのがつらい。
販売店では化粧(店頭効果)をしているのだろうと
画質設定を地味な方向に振ってみる。
すると、ギラギラは収まらないまま
画面の躍動感が消えてつまらなくなる。
厚化粧をとれば、実は…ということでなければよいが。

日本製の優位が薄れたのは価格競争に敗れたからではなく、
使い手の暮らしを見つめなかったからではないか。
テレビは20年前に性能のピークを迎えてしまい、
その後はコスト競争を理由に、
プラズマ、ハイヴィジョン、4Kと
ひとりよがりの高付加価値をめざしたが、
その戦略は海外メーカーにことごとく破れた。
(現実的に、アナウンサーの顔に皮脂が見えるとしたら、それは解像感を演出するため過度の輪郭強調等の画像処理を行っているのではないか。そんな画面が見えて誰もうれしい人はいないけど)
スマートフォンも同様だろう。

目の健康〜ブルーライト問題〜

パソコンやスマートフォンが普及するに従い、
目の疲れ、肩のこりを訴える人が出てきた。
(一日中、いじっている人はダメだろう)
長時間の作業は避けるべきなのはいうまでもない。
しかし、そうした不満(ニーズ)に応える眼鏡はなかった。
いや、あったのかもしれないが、
パソコン等から出る青い光が網膜や脳に与える悪影響を
ブルーライトというわかりやすい言葉で
とある眼鏡チェーンが訴求した。
(現在、有効性をテスト中)

すると、口コミで拡がり、
いまや百万本を越えるベストセラーとなった。
眼鏡(=度数)を必要としない人たちにも購入されるなど
業界では異例のことである。
電子画面に囲まれた生活で目を守るために
できることを提案することで新たな需要を喚起した。

【参考】目の疲れを防ぐ背景色と文字色の設定を試す(秀丸)
フォントはメイリオ。
黒基調にオレンジ文字は疲れないのではと考える。
ただし紙資料を交互に見ることを考えれば、
やや行きすぎかもしれないが。
DSCF5353a.jpg

DSCF5352a.jpg

放送弱者の切り捨て

わが家にはもう1台、
15インチのアナログテレビがある。
これも2015年には
デジタルアナログ変換が中止となるので
それ以降は使えなくなってしまう。

高齢者の一人暮らしなどの家庭では困る人も少なくないので、
このサービスは継続すべきだろう。
放送のデジタル化で
テレビ音声のFMでの音声受信もできなくなっている。
放送とは公共性が生命線なのに
次々と放送弱者を切り捨てている政策はいかがだろう。

エアコンと冷蔵庫とどう向き合う?

省エネルギーの視点から、
古いテレビは
新型に置き換えるべきとの意見もあるだろうが、
小さな音量と適切な輝度設定で使う限り、
電力消費が問題にはなることはないだろう。
エアコンの温度設定を1度下げるだけで
電気の使用量は10%下がるなど、
電気の消費量の多いエアコンと
冷蔵庫のマネジメントを行うことが
省エネルギーの近道である。
逆に画面の大型化に伴う消費電力が増大するうえ、
視力への影響、ブルーライト問題など、
家庭生活ではマイナス面も少なくない。

ほんとうに好きな人がつくる家電

ほんとうに欲しいものが家電品からどんどんなくなっていく。
家電の本質を見抜いた提案を行っていたサンヨーも
中国メーカーに買収された。
例えば、炊飯器一筋に研究を重ねて
「飯炊きおじさん」といわれた下澤理如さんが
つくりあげた電気炊飯器
(10年前に購入していまもわが家で活躍中)は
おいしい米が炊けると評判になった。
下澤さんはさらに米でパンを焼けるGOPANの開発も行った。

一定の温度で調理ができる電子レンジもサンヨーのみ。
旨味の本質を考えて調理を行う人には宝物のような機種で、
たかだか3万円であったため生産終了時に2台購入した。

スマートフォンで操作ができることを
アピールするメーカーもあったが、
おいしい料理を提供するという
本質的な価値とどちらが大切だろうか。
お節介機能やマイナスイオンなどの
「ギミック」に傾倒したメーカーは
その後業績が悪化していった。

洗濯機も然り。
こうした優れものの技術、人材が
日本から消えようとしている。
白物家電はコストダウンが著しい分野で、
高付加価値をめざす日本のものづくりが
手を出すジャンルではないと判断したのだろうが、
サンヨーの価値に気付かず手を差し伸べようとしなかった。

ここでの教訓は、投資効果やROIのみを見ていると
顧客が見えなくなるということである。
もうひとつは、
その分野に熱意を注ぐ個人やチームが
担当すべきということである。
料理をしたこともないサラリーマンが
電子レンジを担当し、
そんな人たちが合議制でものづくりをすればどうなるか。
その結果、made in Japanの銘が
必ずしも優れた製品の証でなくなったことは残念である。

ジェネリック家電 大手家電メーカーのすきま市場をねらう

ところが、大手が撤退した白物家電で、
日本の中小メーカーのが参入が続いている
(ジェネリック家電とも呼ばれる)。
これらのメーカー品は、
海外品と対抗できるぐらいの価格で
ホームセンターなどで売られていたが、
この頃では家電量販店でも見かけるようになった。

エアコンのない事務所なので
風を送るための扇風機を8月の中旬に購入した。
それまで導入しなかったのは、
扇風機は書類が飛ぶなど実用性がなかったのと
昨年まではエアコンがあったからである。

そこで扇風機をと、ケーズデンキに見に行った。
(家電業界のなかで接客と商品知識は群を抜いていると思う)
ふと目に止まったのは、
32段階に風量を調節できる機能がある機種。
その風のまろやかさに心を動かされた。
つくりの良さも直感的に感じた。
TOYOTOMI 【DCモーター搭載】ハイリビング扇風機 ホワイト FS-DC300DHR(W)

トヨトミ FS-DC300DHRの使いごこち

楽しみにしながらまずは寝室で使ってみると、
一晩中当たっていても疲れない心地よい微風。
(タイマーで消す必要がないぐらい自然の風だった)

しかも直流モーター仕様でほんの数ワットで駆動する。
トヨトミは昨年末に購入した石油ストーブが良かった。
心も身体も温まるもので、なおかつつくりが良い。
もしかしたら、扇風機も期待できるのではと思ったが、
安かろう悪かろうの製品とは一線を画すモノであった。

購入してからわかったことであるが、
モーターを格納している容器は不燃処理があり、
コンデンサーにも注意を払っているとのこと。
電源の安全性、製品の耐久性に
深く関わる重要な部品でありながら
スペックに現れない部品なので
まっさきにコストダウンの対象となる。

実は、コンデンサーの件で
トヨトミ社にさらに電話で問い合わせを行い、
本機の安全機構の確認を行った。
本機に関しては、ACアダプターを介して
低電圧で駆動するので
コンデンサーの対策は特に必要なく
駆動部に負荷がかかることは少ないとのこと。
DC扇風機の隠れた利点が見えてきた。

ファンケースに触れると、回転が一時停止する機能などは
小さい子どもがいる家庭向けの機能である。

それが必要かどうかは別にして、
暮らしの一こまに思いをめぐらせて
設計されたものであることは間違いない。
この扇風機は9千円で購入できた。
TOYOTOMI 【DCモーター搭載】ハイリビング扇風機 ホワイト FS-DC300DHR(W)

このように家電が失った上質の暮らしの提案を行ったり、
なかには、よい素材とデザインや質感を磨き上げて
大手メーカーよりも高い値付けを行い、
消費者に支持されている例もある。

暑い夏もエプソンダイレクトのデスクトップPCで乗り切れる

ぼくが主力で使っている
エプソンのデスクトップパソコン(MR6900E)も
電源まわりのコンデンサーには
日本製の信頼できるパーツを使用。

エアコンのない事務所で気を付ける点は
パソコンのハードディスクの温度である。
しかし、MR6900Eは排熱が優秀で、30度を超える室温でも
ハードディスク内には熱はこもらない。
35度近くに気温が達した日でもトラブルは皆無である。
ハードディスクの増設や換装のしやすさはピカイチだし
ホコリも内部に溜まりにくいが、清掃も容易だ。
だから、夏場でも安心して使える。

排熱性に優れた機種では、
ファンがうるさいだろうと心配する人もいるだろうが、
パソコンを選ぶ最優先項目に静粛性を選ぶぼくでも
まったく気にならないし、音楽鑑賞にも使えるほどである。
(PCスピーカーとしてタイムドメイン・ライトを使っている)
その理由は、新日鉄に特注した
厚めの鉄板を使っているということも原因だろう。
エプソンは単なる部品の組立屋ではなく
細部に至るまで自社特注部品をカスタマイズし
徹底的にテストを重ねて
システムとして磨き上げたもの。

エプソンダイレクトは納期も早いし保守体制も万全。
その代わり、他の直販メーカーと比べれば
価格が高めに設定されているが、
それらはすべて
安定して末永く稼働させるための品質にかけたもの。
(これに匹敵するのは、かつてのThinkPadぐらいだろう)。
トラブルで業務が滞るリスクと比べると
たかだか数千円程度の差。
日経が毎年行っているユーザーの満足度評価では
トップではなかったか。

ということで、
MR6900Eは、これまで購入したすべてのパソコンで
もっとも満足している。
CPUの処理速度と価格対比などどうでも良い。
安心して使える安定性、保守性の良さが決めて。

Windows7Proの64bitに
以前に購入していたXPを追加インストールして
自己責任でデュアルブート仕様にしている。
BIOS起動時に手動切り替えを行い、
デフォルトでは自動的にXPが立ち上がるようにしている。

Web上でも品質(製品そのもの、サポートとも)への評価は高いようだ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1227/hot351.htm
http://okwave.jp/qa/q3218015.html

現行機種では、その後継のMR7200Eとなる。
エプソン Endeavor MR7200 350W電源搭載モデル(MR7200E-L)



自宅用にコンパクトなデスクトップでは、この機種がおすすめ。


(以前に使っていたデルの4600Cは排熱が悪いうえ、つくりが粗雑で信頼はなかった)。


小さくても良質のテレビを求める

話をテレビに。
15インチの性能の良さそうな液晶テレビを調べてみたが、
見つからない。
テレビを置く場所の寸法は横幅40センチが限度であり、
壁に掛けることも不可能なので、
せいぜい20インチが限度
(小さい画面は解像度が高く良質の画像が得やすいのも理由)。
残念ながら、小型で上質のテレビを求めるニーズに
応えるメーカーはないようである
(10〜20万円でもそれを必要とするニッチな市場は確かにあるはず)。

その後、ブラウン管は他の方式と比べてブルーライトが
圧倒的に少ないことが判明。
流行のLEDは特に青色発光性にピークがあるものが多く
ブルーライトが多い(家庭用の照明としてもどうなのだろう)。
(↓こちらのリンク先の情報は必読)
http://bizmakoto.jp/style/articles/1206/01/news047.html

あまり知られていないが、
LEDは、雷時のサージ電流の保護も問題となる。
(球本体が高価なだけに)
動画の応答性が良いことなどと併せて
ブラウン管方式が見直されて良いし、
少量でもプレミアム感のある小型ブラウン管を
現代の技術でもっと尖らせてみるのもおもしろいと思うが。


通話(音質)の良さでウィルコムのPHS しかし… 

電話で大切なやりとりを行うため、
音質が良いPHSを10数年使っている
(電話機能を重視するなら通話がしにくく音質が悪いスマートフォンはあり得ない)。
ただしPHSには、
他社が行っているように災害時の情報源としてエリアコール機能は欲しい。
毎日のようにウィルコムからの販促メールを受け取っているが、
災害時の一斉送信のサービスはいまだに行われていない。
また、メーカーにも数年来要望を出しているが、
日本のIT活用の先進地区である上勝町が
いまだにエリアとなっていない。
おばあちゃんがスマートフォンを使って農産物の出荷を行い、
マイクロソフトがICTで提案を行い、
ドコモがスマートフォンの普及を支援し、
海外からも視察が来ている地区であるにもかかわらず。

デフレも海外も関係ない まず人々の暮らしに寄り添うこと(そしてその想像力)

日本の企業が埋没しないためには、
生活者の暮らしに寄り添うこと。
そして、思いのある技術者の夢に懸けること。
責任を取らないチームの合議制で決めないこと。

成熟市場でも細分化すれば、
ニッチな市場で人々の幸福を提供する機会は無限にある。
成長分野のみに補助金を投入するのではなく、
国民生活を潤す試みを支える施策を考えるべき、
というのは経済産業省への提言。

追記

購入したブルーライト対応グラス「JINS PC」
実際に徳島クレメント2階の実店舗で試着してみたが、
レンズが大きいほうが大画面や首振りにも対応できる。
透明のクリアタイプよりも、
青色光カットが大きく可視光透過率も85%が確保され
独自の調光特性を持つハイコントラストタイプが良かった。



購入したトヨトミの32段階調節のDCモーター扇風機
9枚羽のやわらかな風と落ち着いたデザイン。