2014年06月22日

キーボードとリストレストを考える〜最適のリストレストを発掘〜


SANWA SUPPLY エルゴノミクスリストレスト TOK-ERG2Bの購入


物事には隘路(ボトルネック)がある。
パソコンで文字を打つ作業においては
CPUの速度やメモリ容量は関係ない。
それよりもヒトが打鍵する速度が生産性を左右する。
それも単に速度だけではない。
打ち心地の良さが必要である。

キーボードの打鍵速度なら
かつてワープロ早打ちコンテストがあり、
常勝していたのが富士通のワープロ「オアシス」の使用者。
使っていたのは親指シフトというキーの配列のキーボード。
親指シフトは、今日では富士通の規格を離れて
NICOLA(日本語入力コンソーシアム配列)と呼ばれている。

親指シフトは単に早く打てるというだけではない。
親指をキーボードに参加させることで
楽に打つことができる。

例えば、kの刻印があるキーは、
そのまま押せば、ひらがなの「き」であるが
右親指と同時に押せば「の」となり
左親指と同時に押せば「ぎ」となる。
親指を打鍵に参加させることで指の負担感が著しく減少する。
しかも慣れるとタッチタイピングがしやすく
手元を見る必要もない。

ノートPCはThinkPadでローマ字入力である。
ThinkPadはキーボードが優れているというのが一般の評価だが
それでも外部キーボードを接続することもある。
ローマ字入力なら、静電容量無接点方式の東プレがいい。
一日中数字を叩くような業務で使われているのがこれである。
確かにローマ字入力の不利な点を緩和していると思う。

緩和していると言っても
親指シフトとはやはり比べものにならない。
速度は当然遅くなるが、それ以上に
ローマ字入力なら打つ前に一種のためらいを感じながら
(おおげさにいえば、躊躇や気後れさえ感じる)
打っていることに気付く。

ところが、親指シフト(NICOLA配列)なら
そんなことはない。
使用者の多くが「自然」と語る感触が評価されている。
(理屈ではなく大脳が司る感覚)

話は類人猿の時代に遡る。
樹上生活の長かった祖先たちは
親指と残りの指で掴むという動作に卓越していた。
その名残はホモ・サピエンスにも受けつがれている。
この動作をキーボードの操作にも活用するのが
親指シフト(NICOLA配列)である。

DSXE4166s.jpg

ぼくが使っているキーボードは現在3種類で
ひとつがキーボードのロールスロイスと呼ばれる
新潟のリュウド社のRboard Pro for PC(生産中止)、
富士通のOASYSキーボード、
(この2種類は親指シフト)
それに東プレ(ローマ字入力用)だ。

これを快適に使うグッズとして
さまざまなリストレストを使ってみた。

エレコムのマウス用は夏場のベトベト感が惜しい。
これを2個使ってキーボード用にとも考えたが、
柔らかすぎてキーボードを打つ拠点である手首が安定しない。
エレコム pgel EX ハンドレスト(グレー) MOH-014GY

同社のキーボード用は手首が不安定で滑りやすくて使い物にならなかった。
エレコム 疲労軽減リストレスト "COMFY" ロング(ブラック) MOH-012BK

こちらは使ったことはないが、どうだろう?
SANWA SUPPLY TOK-MU3BK リストレスト(ブラック)

アマゾンで探していて、もしかしてと思いつつ
発注したのがサンワサプライのこの機種。
SANWA SUPPLY エルゴノミクスリストレスト TOK-ERG2BK

使ってみて納得した。
やわらかすぎない硬さ、
そして適度な窪み(ホールド感)、
ただし、過度に沈み込まないので移動(滑らせる)しやすい。
そえがテンキーまでの移動をカバーしている。
(それまではテンキーはリストレストを使わず宙に浮いて打鍵していたのだ)

DSXE3570-1.jpg

DSXE3571-1.jpg

デスクトップPCのキーボードは大きいので
上段のキーや両端のキー(@など)を押す際は
使い手は無意識のうちに手首を微妙に移動させている。
つまり、打鍵する直前までは
円滑な動き(ホールドし過ぎない)を妨げないこと、
打鍵の際に動かない起点(=適度な硬さが必要)があることで
打鍵の安心感、ひいては疲労を軽減する。
この相反する要素を両立させているのがこのリストレスト。
エルゴノミクスと称しているのもうなづける。

黒一色の設定なのが惜しいが、
これはリストレストの決定版と感じた。
リストレストは数年でへたってしまう消耗品である。
この手の製品は良いと思ったときに購入しておかないと
すぐに廃盤になってしまう。
理想的なリストレストを発掘できたとして
自分の備忘録としてブログに掲載したもの。

これまでリストレストなしにキーボードを使っていた人は
あまりの快適さに
どうしてもっと早く使わなかったのかと後悔するだろう。
それは、キーボードに入れ込んで
日本語入力の本質を考えているぼくの偽らざる実感。

優れた製品として多くの人が使うことで
メーカーも勇気をもらい、
引き続いて販売してくれるだろうから。


SANWA SUPPLY エルゴノミクスリストレスト TOK-ERG2BK