ブログでは縮小していて詳細は伝えられないが
原版では水の表情の美しさ、
自然界の濃淡と小石ほどの粒まで見通せるディティール、
何度でも見返したくなる濁りない色彩の透明度。
この色はフジでないと出ない。


(以上、X-T30)
特にX-Trans CMOSの第3世代の画像処理エンジン(X-T2など)と
第4世代(X-T30など)では色の再現性が違う。
第三世代では紫などが転ぶことがあったり
赤が飽和してしまったり。
この写真では水の色が違う傾向を示している。
ほぼ同じ場所で撮影したX-T2(第3世代)は前の2枚(X-T30=第4世代)とは色の傾向が異なっている。
(ホワイトバランスはいずれも晴天)

ときにつくられた色を感じることはあるけれど
色を整理して人が描く好ましい色に再構築するのがフジ。
(RAWデータを引き算するときに好ましくない要素を取り除いた感じ)
意外なようだが、フジでは露出補正をほとんど行う必要がない(露出は正確)。
(Instagram向けの画像からは1/2段もしくは2/3段暗い感じ。他社と比べて1/4EV程度暗めの露出のようにも感じるが適正と思う)
キヤノンでは色を引き算することなく
すべての色を明るくあでやかに整えて
ハイライトに主題を置きたくなるのが特徴。
(その代わり存在感か空気感というのが感じられない。商業写真にはこれでいいのだろう)
ニコンは見映え重視にしないが
自然な階調のつながりがあって
同じ色のなかで無限の陰翳を出すことができる。
(ぼくはRAWで撮影してフラットに出力することがある)
例えば、カメラ内時計でもフジは誤差が大きいがニコンは少ない。
ニコンの一眼レフを使っているときの安心感は比類がない。
フジも性能に現れないつくりこみを見習って欲しい。
ソニーはコクのある色再現だが、ソニーの色が好きという声はあまり聞かれなかったように思う。
露出はフジと比べて1/3EV程度明るめの感じがする。
露出が足りないとやや色の濁りを感じることがあるが
このあたりにミノルタ、ライカの遺伝子を感じる。
作り物ではない存在感。
(ぼくは銀塩一眼レフではミノルタを20年使っていた。発色が好きだったから)
ソニーで色再現が向上していると思って
先日RX100M7を購入した。
1インチセンサーは画質ではAPS-Cに遠く及ばない。
(実写でも確認)
だが、被写界深度の深さが欲しい場面がある。
それならセンサーサイズは小さいほうが有利。
ただし暗所でのノイズと、
明るいところでは2,000万画素の解像感が活きることから
1インチセンサー機は万能に近い。
ソニーは物理ダイヤルが少ないため
操作性は犠牲になっているが、持ち運びが楽。
RX100M7ではこんな色

曇りの日に花を撮影したもので
RX100M7とX-T2を比べてみる。


(前者がソニー、後者がフジ。ともにホワイトバランスは晴天、それぞれスタンダードな設定でJPEG出力)
曇天の日に晴天を当てたので発色がおかしくなっている。
ここでソニーをAWBにしてみる。

コントラストが高くメリハリがあるのはこのカメラの個性だが
RX100M1〜6までと発色が改善されているのが明らか。
ぼくは動画は撮らないしAFもそこそこでいいけれど
静止画を撮るときにJPEGそのままで使えるのは大きいと判断して
最新のRX100M7を選んだ。
ソニーとフジ


第3世代のフジの色再現と比べてもソニーは遜色がない。
むしろ自然な感じがする。
それでもセンサーサイズから来る階調性、輪郭強調のないやわらかな質感、
解像度はAPS-Cのフジに勝てない。
(RX100M7は線が太い映り方をする)
1インチとはいえソニーは時代の最先端のセンサーを搭載している。
これを見ているとiPhoneはどれだけ進歩しても
専用カメラには遠く及ばないことがわかる。
輪郭強調と不自然なHDR、局所的な色再現の改善をAI認識のパターンで
加工を行っているのがiPhoneではないだろうか。
そこには実態のない写真風の絵があるだけである。
(見せようとした時点で壊れていく被写体がある)
第4世代になるとフジはさらに深化している。
プロビア以外は使う必要を感じないほどだが
エテルナを使ってみるとこれがまた自然。


心にしみる写真はそのままでいい。