2019年01月19日

電子ペーパー(デジタルペーパー)という選択肢 富士通から新発売の電子ペーパー P01(A4サイズ、FMV-DPP01)


数年前にソニーが先鞭をつけてA4サイズの電子インクのビューワーを発売した。
タブレット端末が数万円ながら液晶が精緻で色の再現性がよく、
アプリケーションが使えてインターネットに接続できる。
それに対して電子ペーパー(デジタルペーパー)はモノクロの電子インクで
見られるのはPDFのみ。
ページ送りもページごとの切り替えという仕様で10万円程度。
それなのにデジタルペーパーが人気で
ソニーストアで販売された数量がただちに完売する状況が数ヶ月続いた。
https://www.sony.jp/digital-paper/products/DPT-RP1/
https://pur.store.sony.jp/digital-paper/products/DPT-RP1/DPT-RP1_purchase/

電子ペーパー(デジタルペーパー)は
AmazonのKindleなどの電子書籍は読めないがハード的には同様のもの。
ただしA4がページほぼそのままの大きさで閲覧できる可読性の良さがある。

世の中にはPDF化された文献がインターネット上で共有されている。
数百頁を超えるものもあるだろう。
それを必要なときに印刷して持ち運ぶとしたら手間も費用もかかる。

電子ペーパーでは1万冊程度のPDFが内部メモリだけで格納できる。
接続もUSB、Wi-Fi、BluetoothでPCとやりとりできる。
(情報拠点はPCがこれからも優位だろう)

ところがPDFを印刷しないで閲覧するとしたら適切な方法は見当たらない。
Kindleなどの電子書籍はPDFは表示できても画面を拡大しなければ読めない。
するとページ送りができなくなる。
(だから電子書籍では専用のフォーマットを採用して文字とそれに対応するレイアウトがストレスなく可変できるようになっていて書籍以上に目にやさしく読みやすくできる)

パソコンではデスクトップの大きな画面で長時間文字を追い続けられるだろうか?
ノートブックの横長の狭い画面で何度もスクロールして読み続けられるだろうか?
パソコンではバックライトによる目への負荷がある。
電子インクを採用する電子ペーパーでは原理的にブルーライトが発生しない。
さらに縦長の画面との親和性が低い。
もっとも多いA4縦のPDFは閲覧しにくい。
そのうえ持ち運ぶのには重量が気になる人もいるだろう。

そこでPDF専用のビューワーが必要となる。
ソニーのデジタルペーパー、2018年12月に富士通が発売した電子ペーパーがそれである。
この2機種、ハードはほぼ同じものでソフトの味付けがやや違う程度とされる。
http://www.fmworld.net/digital-paper/top.html

余談だが、文章作成ではいまもパソコンよりワープロ専用機が使いやすいと思っている。
大切に保存しているのは富士通の親指シフト機OASYS 30AFIII
http://museum.ipsj.or.jp/computer/word/0009.html

パソコンになってテキストエディターを使い、
キーボードもリュウド社、富士通の親指シフトキーボード、東プレなど
10数万円を投資したが、キータッチひとつ取ってもかつてのオアシスに遠く及ばない。
羽毛のような軽いタッチでありながら誤入力が皆無の打鍵感、
ものを掴む動作が人類の基本とされるがそれをキーボード入力に応用したのが親指シフト。
ワープロ専用機のオアシスでは
ほとんど音声入力を指でやっているかのごとく軽快だった。
(パソコンを使うようになって文字入力の作業効率は落ちたと思っている)。
富士通はインターフェイスを大切にする会社なので
今回の電子ペーパーはソニーのOEMであっても
ソフトウェアの作り込みで差異があるのではと期待している。

富士通の直販Webサイトでは
2019年1月末までキャンペーンでA4サイズが74,800円(税込)で購入できる。
http://www.fujitsu-webmart.com/pc/webmart/ui3211.jsp#item

サイズはA5が49,800円と値引き幅が大きいが、
PDFの閲覧という目的からすれば迷わず等倍で表示できるA4サイズを。
(画面を拡大できるがそれでは良さが失われる)
なお、一部の店でソニー製品もキャンペーンで同額展開をしているようだ。

電子ペーパーでは手書きの文字が紙のような感覚で書ける。
セキュリティーで保護されていないPDFならマーキングや書き込みもできる。
だから、大量の文書を閲覧、校正を行う経営者や学術機関の人たちは
このような機能を待望していたのだろう。

昨日届いたのでさっそく使ってみた。
パソコンに保存しているPDFファイルをどんどんコピーする。
専用アプリの操作性はわかりやすい。

本体は軽く縦長でも横長でもくるりと向きを変えて読むのは紙と同じ。
紙の可読性に比べれば環境照明が暗いところではやや劣るが
明るい場所では気にならない。
以下にサンプルを掲載。
DSFT1614-1.jpg

DSFT1617-1.jpg

収納ケースはこれがいいのではないかと。


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