2020年01月02日

フジフイルムX-T2とX-T30


X-T30(Made in China)は発売とともに使い出して数ヶ月。
満足度の高いカメラである。
小さく軽量でありながら電子シャッターを駆使すれば
手ぶれ補正のないレンズで遅い速度であっても
数枚撮れば不満のない結果が得られる。
このカメラはシルバーが美しい。
中国製(Mike)のグリップを使用することでアルカスイス互換の雲台に瞬時に装着できる。
純正ではないが、精度、品質感は高いもので信頼できる。
X-T30はこのグリップ付を標準と考えたらいい。握りやすさはブレの少なさ、ボタンのご操作の減少、三脚装着時に本体下面の傷を防げるなど利点は大きい。
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X-T2(Made in Japan)は至れりつくせりの万能カメラである。
ほとんどの設定が電源を入れずに可視化できる唯一のカメラではないか。
往年の一眼レフ、例えばコンタックスRTSを思わせるムダのない造形で
フジの完成形である。
後継機X-T3が出ているが、X-T2を使っている人は買い換えの必要がない機種である。
このカメラは黒が似合う。
グリップは純正を付けている。このことでアルカスイス互換の雲台に瞬時に装着できる。
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後継機のX-T3(Made in China)と同等の画像エンジンとセンサーを使っているX-T30と比べれば
出てくる画の傾向に違いが感じられる。
ぱっと見て一般受けしそうなのが第三世代の画像エンジンのX-T2である。
記憶色を中心にしながら忠実度の高い色彩再現ができるのが
第四世代の画像エンジンのX-T30と思う。

壮大な風景などはX-T2が見映えがすることがあるが
花の撮影などではX-T30に納得が行くことが少なくない。
緑の再現は記憶色の再現がおだやか(第三世代はややメタリックな緑となることがある)、
また紫や赤が飽和しにくいのも第四世代。

指一本での露出補正はX-T30がやりやすい。
X-T2は指2本でつまむのが標準的な使い方。
いずれもCポジションと前ダイヤルを使う手もあるが
現位置を可視化できることと、前ダイヤルでの運用が使いやすいとは感じないので
メカダイヤルによる補正を行う。
フジのカメラの美点として露出が正確であり、
JPEGだけで撮影するがブランケットは使わない。
上がりを見て露出補正をしておけばそれで十分。

フジのボディにミノルタSRマウントのレンズを付けることがあるが
色の再現性がフジの純正とは違ってくる。
もしかしたらフジ純正は被写体のRGB情報をレンズとボディでやりとりしているのではないか。
シャッターの感触に関してはX-H1のフェザータッチを他機種も採り入れて欲しい。ボディ内手ぶれ補正がないフジだからこそシャッターでブレや速写性が補えると喜ばれるだろう。

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いずれのカメラにしても大伸ばしに耐える解像感を持っている。
被写界深度が確保できて見かけ上の写真の鮮鋭度が上がること、
レンズやボディ、データ容量を小さくできることは大きな利点である。
おそらくはほとんどの状況で等倍で見たとしても
他社のフルサイズとの違いはわからないのではないか。
(1インチとは等倍にせずとも違いが明確にわかるのでAPS-Cは作品も記録も両立できる規格なのかもしれない)

というわけでしばらくは2つのカメラを中心に
レンズはいずれも日本製で
XF14mmF2.8 R、XF35mmF1.4 R、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISの3本で行く。
(マクロのXF60mmF2.4があればさらにいいと思う)
X-T2にはズームを、X-T30には標準単焦点を付けっぱなしにしているので
ボディ2台の運用は撮影の利便性が高い。
しかも2台首からかけても重さを感じない。
望遠だけはニコンD7200+AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRを付けている。
(この3台を首にかけていることもある)。

コンテストもSNS映えも興味がない。
趣味が写真という気持ちもない。
生きることは見つめる(洞察)することであり
その手段としてカメラがあるというだけ。
記録としての写真に徹しているが、
そのときどきに何を感じたか、どんなことに共感したかを振り返るとき
映像とともに記憶が蘇る。そして文章も書く。
時間の経過とともにそれがかけがえのない資産となっていく。
ブログはそのための道具として使っている。

2019年10月19日

ソニーRX100M7の色の再現性


RX100M7はそれ以前の世代のシリーズと比べても色再現が自然で深みがあるように見える。
(厳密に比較したわけではないが数多くの写真を見ていると傾向の違いがあるように感じる)

以下は試写を兼ねて撮影したもの。さまざまな光源が入っているが
AWB、スタンダード、JPEGを縮小したもの。
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撮りたいときにさっと取り出して安定した結果を出してくれる。
唯一思うのはズームが手動だったらなということ。
24〜200o域で微修正が難しい。コントロールリングに段階的に割り当てるとしっくり来た。
24→ 35→ 50→ 70→ 85→ 135→ 200で中間がなくなる。
このほうが使いやすい。ズーミングが早くて調整が要らないから。
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空と海

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フジの色の再現性 

ブログでは縮小していて詳細は伝えられないが
原版では水の表情の美しさ、
自然界の濃淡と小石ほどの粒まで見通せるディティール、
何度でも見返したくなる濁りない色彩の透明度。
この色はフジでないと出ない。
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(以上、X-T30)

特にX-Trans CMOSの第3世代の画像処理エンジン(X-T2など)と
第4世代(X-T30など)では色の再現性が違う。
第三世代では紫などが転ぶことがあったり
赤が飽和してしまったり。
この写真では水の色が違う傾向を示している。
ほぼ同じ場所で撮影したX-T2(第3世代)は前の2枚(X-T30=第4世代)とは色の傾向が異なっている。
(ホワイトバランスはいずれも晴天)
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ときにつくられた色を感じることはあるけれど
色を整理して人が描く好ましい色に再構築するのがフジ。
(RAWデータを引き算するときに好ましくない要素を取り除いた感じ)
意外なようだが、フジでは露出補正をほとんど行う必要がない(露出は正確)。
(Instagram向けの画像からは1/2段もしくは2/3段暗い感じ。他社と比べて1/4EV程度暗めの露出のようにも感じるが適正と思う)

キヤノンでは色を引き算することなく
すべての色を明るくあでやかに整えて
ハイライトに主題を置きたくなるのが特徴。
(その代わり存在感か空気感というのが感じられない。商業写真にはこれでいいのだろう)

ニコンは見映え重視にしないが
自然な階調のつながりがあって
同じ色のなかで無限の陰翳を出すことができる。
(ぼくはRAWで撮影してフラットに出力することがある)
例えば、カメラ内時計でもフジは誤差が大きいがニコンは少ない。
ニコンの一眼レフを使っているときの安心感は比類がない。
フジも性能に現れないつくりこみを見習って欲しい。

ソニーはコクのある色再現だが、ソニーの色が好きという声はあまり聞かれなかったように思う。
露出はフジと比べて1/3EV程度明るめの感じがする。
露出が足りないとやや色の濁りを感じることがあるが
このあたりにミノルタ、ライカの遺伝子を感じる。
作り物ではない存在感。
(ぼくは銀塩一眼レフではミノルタを20年使っていた。発色が好きだったから)

ソニーで色再現が向上していると思って
先日RX100M7を購入した。
1インチセンサーは画質ではAPS-Cに遠く及ばない。
(実写でも確認)
だが、被写界深度の深さが欲しい場面がある。
それならセンサーサイズは小さいほうが有利。
ただし暗所でのノイズと、
明るいところでは2,000万画素の解像感が活きることから
1インチセンサー機は万能に近い。
ソニーは物理ダイヤルが少ないため
操作性は犠牲になっているが、持ち運びが楽。

RX100M7ではこんな色
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曇りの日に花を撮影したもので
RX100M7とX-T2を比べてみる。
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(前者がソニー、後者がフジ。ともにホワイトバランスは晴天、それぞれスタンダードな設定でJPEG出力)
曇天の日に晴天を当てたので発色がおかしくなっている。
ここでソニーをAWBにしてみる。
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コントラストが高くメリハリがあるのはこのカメラの個性だが
RX100M1〜6までと発色が改善されているのが明らか。
ぼくは動画は撮らないしAFもそこそこでいいけれど
静止画を撮るときにJPEGそのままで使えるのは大きいと判断して
最新のRX100M7を選んだ。

ソニーとフジ
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第3世代のフジの色再現と比べてもソニーは遜色がない。
むしろ自然な感じがする。
それでもセンサーサイズから来る階調性、輪郭強調のないやわらかな質感、
解像度はAPS-Cのフジに勝てない。
(RX100M7は線が太い映り方をする)

1インチとはいえソニーは時代の最先端のセンサーを搭載している。
これを見ているとiPhoneはどれだけ進歩しても
専用カメラには遠く及ばないことがわかる。
輪郭強調と不自然なHDR、局所的な色再現の改善をAI認識のパターンで
加工を行っているのがiPhoneではないだろうか。
そこには実態のない写真風の絵があるだけである。
(見せようとした時点で壊れていく被写体がある) 

第4世代になるとフジはさらに深化している。
プロビア以外は使う必要を感じないほどだが
エテルナを使ってみるとこれがまた自然。
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心にしみる写真はそのままでいい。

2019年05月04日

1年の大半を過ごせるジャケット


桜を眺めていたのがついこの間までで
季節はいつのまにか初夏へと。

連休中はやりたいことがたくさんあって
時間がいくらあっても足りない、
というかやりたいことが次々と出てきて
夜寝るのが先延ばし、朝起きるのが楽しみという日々。

もっとも連休が多いと収入は減少するけれど
それよりもやれることが多いことがうれしい。

→ パラレルワールド(異なる結末のブログ)に行く

この季節に重宝するのがモンベルのライトシェルジャケット。
・メッシュの裏地で適度なあたたかさ、吸湿性
・ウィンドブレーカーとは異なる適度な通風性
・雨具には程遠いが適度な防水性
・表面の処理で汚れを防ぐ性能
・窮屈さがない伸縮性能
・ハイテク繊維とは異なる綿のような肌触りの良さ
・軽量コンパクトで折りたためば掌に収まる(専用ポーチ)
・すぐに乾く扱いやすさ
これが7千円少々で買える。これ以上の服は要らないと思える。

モンベル ライトシェルアウタージャケット
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1106647
(アウターに使うのでサイズは実物合わせで。ポケットがなくミッドに使うライトシェルジャケットと間違わないよう)
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ぼくは仕事に遊びに家事にすべての場面で使っている。
注文を付けるとしたらモンベル特有の色のセンスだけ。
(それが気にならないなら1年の大半を過ごせる。あまりに気に入っているので2枚目はプレゼントにもらった)

2019年01月19日

電子ペーパー(デジタルペーパー)という選択肢 富士通から新発売の電子ペーパー P01(A4サイズ、FMV-DPP01)


数年前にソニーが先鞭をつけてA4サイズの電子インクのビューワーを発売した。
タブレット端末が数万円ながら液晶が精緻で色の再現性がよく、
アプリケーションが使えてインターネットに接続できる。
それに対して電子ペーパー(デジタルペーパー)はモノクロの電子インクで
見られるのはPDFのみ。
ページ送りもページごとの切り替えという仕様で10万円程度。
それなのにデジタルペーパーが人気で
ソニーストアで販売された数量がただちに完売する状況が数ヶ月続いた。
https://www.sony.jp/digital-paper/products/DPT-RP1/
https://pur.store.sony.jp/digital-paper/products/DPT-RP1/DPT-RP1_purchase/

電子ペーパー(デジタルペーパー)は
AmazonのKindleなどの電子書籍は読めないがハード的には同様のもの。
ただしA4がページほぼそのままの大きさで閲覧できる可読性の良さがある。

世の中にはPDF化された文献がインターネット上で共有されている。
数百頁を超えるものもあるだろう。
それを必要なときに印刷して持ち運ぶとしたら手間も費用もかかる。

電子ペーパーでは1万冊程度のPDFが内部メモリだけで格納できる。
接続もUSB、Wi-Fi、BluetoothでPCとやりとりできる。
(情報拠点はPCがこれからも優位だろう)

ところがPDFを印刷しないで閲覧するとしたら適切な方法は見当たらない。
Kindleなどの電子書籍はPDFは表示できても画面を拡大しなければ読めない。
するとページ送りができなくなる。
(だから電子書籍では専用のフォーマットを採用して文字とそれに対応するレイアウトがストレスなく可変できるようになっていて書籍以上に目にやさしく読みやすくできる)

パソコンではデスクトップの大きな画面で長時間文字を追い続けられるだろうか?
ノートブックの横長の狭い画面で何度もスクロールして読み続けられるだろうか?
パソコンではバックライトによる目への負荷がある。
電子インクを採用する電子ペーパーでは原理的にブルーライトが発生しない。
さらに縦長の画面との親和性が低い。
もっとも多いA4縦のPDFは閲覧しにくい。
そのうえ持ち運ぶのには重量が気になる人もいるだろう。

そこでPDF専用のビューワーが必要となる。
ソニーのデジタルペーパー、2018年12月に富士通が発売した電子ペーパーがそれである。
この2機種、ハードはほぼ同じものでソフトの味付けがやや違う程度とされる。
http://www.fmworld.net/digital-paper/top.html

余談だが、文章作成ではいまもパソコンよりワープロ専用機が使いやすいと思っている。
大切に保存しているのは富士通の親指シフト機OASYS 30AFIII
http://museum.ipsj.or.jp/computer/word/0009.html

パソコンになってテキストエディターを使い、
キーボードもリュウド社、富士通の親指シフトキーボード、東プレなど
10数万円を投資したが、キータッチひとつ取ってもかつてのオアシスに遠く及ばない。
羽毛のような軽いタッチでありながら誤入力が皆無の打鍵感、
ものを掴む動作が人類の基本とされるがそれをキーボード入力に応用したのが親指シフト。
ワープロ専用機のオアシスでは
ほとんど音声入力を指でやっているかのごとく軽快だった。
(パソコンを使うようになって文字入力の作業効率は落ちたと思っている)。
富士通はインターフェイスを大切にする会社なので
今回の電子ペーパーはソニーのOEMであっても
ソフトウェアの作り込みで差異があるのではと期待している。

富士通の直販Webサイトでは
2019年1月末までキャンペーンでA4サイズが74,800円(税込)で購入できる。
http://www.fujitsu-webmart.com/pc/webmart/ui3211.jsp#item

サイズはA5が49,800円と値引き幅が大きいが、
PDFの閲覧という目的からすれば迷わず等倍で表示できるA4サイズを。
(画面を拡大できるがそれでは良さが失われる)
なお、一部の店でソニー製品もキャンペーンで同額展開をしているようだ。

電子ペーパーでは手書きの文字が紙のような感覚で書ける。
セキュリティーで保護されていないPDFならマーキングや書き込みもできる。
だから、大量の文書を閲覧、校正を行う経営者や学術機関の人たちは
このような機能を待望していたのだろう。

昨日届いたのでさっそく使ってみた。
パソコンに保存しているPDFファイルをどんどんコピーする。
専用アプリの操作性はわかりやすい。

本体は軽く縦長でも横長でもくるりと向きを変えて読むのは紙と同じ。
紙の可読性に比べれば環境照明が暗いところではやや劣るが
明るい場所では気にならない。
以下にサンプルを掲載。
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収納ケースはこれがいいのではないかと。