2014年05月05日

庭のスミレをニコンとフジで撮ってみる


庭のスミレにレンズを向けてみた。
世界の小さな片隅に
数センチ四方の饒舌な色の蒔絵の印象。

実は紫や緑はデジカメで再現が難しい色彩。

今回はニコン(D7000+60/2.8)とフジ(X-E2+35/1.4)で
色調の違いを比べてみた。

ニコンから。
明るさを合わせるため、RAWで撮影して
現像時に露出補正をしている。

現像は、ViewNX2(純正)で。
そのまま現像するときは
Photoshop Lightroom より
階調、色彩が美しく自然だ。

Photoshop Lightroom を使うのは
特定の色彩の調整やハイライトやシャドーを修正するときだけ。

スタンダード、ニュートラル、風景の順で。

D7K_8316_NX2.jpg

D7K_8316_NX2_01.jpg

D7K_8316_NX2_02.jpg

D7K_8325_NX2.jpg

D7K_8325_NX2_01.jpg

D7K_8325_NX2_02.jpg

見映えがするのは風景だが、赤が飽和している。
ニュートラルは地味だが、微妙なニュアンスがわかる。



X-E2はJPEGそのままで
フィルムシュミレーションの違いを見る。

プロビア、プロネガスタンダード、アスティアの順。
(ベルビアはこの手の被写体では飽和する)

DSXE1917.jpg

DSXE1918.jpg

DSXE1919.jpg

DSXE1920.jpg

DSXE1921.jpg

DSXE1922.jpg

被写体の色よりやや地味だが
プロネガスタンダードは色彩が忠実で見た目に近い。
立体感はプロビアもしくはアスティア。

レンズや構図が異なることもあり、
立体感や陰影、特に暗部の再現性に違いがあるような気がする。
特に緑の傾向が違うようにも見える。
作品としての見映えや押し出しではニコン、
色彩はフジが微妙な再現性を保有している気がするが、
それはデフォルトのメーカーの考え方の違いともいえ
後処理でどうにでもできる。
(Photoshop Lightroom ならJPEGでも自在に色調や色温度などを部分的にトーンを変えられる)
特定の画像だけで
機種の傾向を判断することはできないということは確か。



2014年04月10日

フジフイルムX-E2 銀色の質感


ニコンのD7000を主力に使っている。
傷が付かない丈夫な黒の塗装や
コンパクトでありながら悪条件下でも信頼性がある。
緑の再現性がいいこともあって
海、山、川に持ち出している。

このカメラは1600万画素である。
ところが現在のニコン機のAPS-C機は
すべて2400画素仕様となっている。

D7000に欠点があるとしたら、
手ぶれしやすいこと。
シャッターのミラーショックが大きいのだろう。
それゆえ、ジッツオの3型三脚に固定することが多かった。

登山では岩登りや沢を下ることがある。
(登山道を使わない)
装備はできるだけ軽量化したいが、
三脚を使わない場合の歩留まりは良くない。
ぼくは体幹を鍛えているので動きはぴたりと止まるけれど、
カメラ内部の動きでぶれてしまう感覚。

そこで解決策として、
手ぶれ補正の付いた望遠レンズを購入。
AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR。

なんと、このレンズのほうが
広角ズームや単焦点標準よりも歩留まりが良い。
それだけ手ぶれ補正が強力であるということ。
少なくともこのレンズを使う限り、三脚は不要だった。
(マクロ域なのに)
なにより得られる画質が良い。
60/2.8マイクロとともにニコンの交換レンズの白眉と思う。

Nikon 望遠ズームレンズ AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR フルサイズ対応

手ぶれだけではない。
たまたま手持ちの個体だけの現象かもしれないが、
60/2.8マイクロと前述の望遠ズームはAFがぴたりと来るのだけれど、
広角ズームや単焦点標準(35/2)ではピントが甘い。
レンズの解像度の差もあるだろうけど、
D7000の合焦精度が不足していると判断。
(中央の一点で合わせて構図を変えているにもかかわらず)。

Nikon 単焦点マイクロレンズ AF-S Micro 60mm f/2.8G ED フルサイズ対応


調整に出せばある程度は修正できるかもしれないが、
現在ピントが来ている主力レンズで合わなくなるかもしれない。
一眼レフの利点(迅速なAF)であり
欠点ともなり得る位相差AF(合焦精度)の特性である。
(ペンタプリズムを通してファインダーで見る光路と
実際の像面を高い精度が合致させる必要がある)

後継機ではAFとミラーショックが改善されている可能性があるが、
その半面、2400万画素ではさらに手ぶれやピントに厳しいことが予想され、
画素ピッチが細かすぎる弊害も予想されることから
現在のニコンのDX機には買いたい商品がなくなった。
(解像度は十分なので階調や高感度特性を追求して欲しい。ファイルサイズも大きくしたくない。だから16Mの中級機は必要)

これらは、高画素一眼レフの宿命ともいえるが、
一方で、マクロや望遠時にミラーレスでは使いにくいのも事実。
そこで、APS-Cのマクロと望遠を一眼レフで、
広角をミラーレスのX20でと役割分担を行った。

X20には広角時に最短1センチまで寄せるため、
植物のクローズアップでは
細部を映し出しながら環境も捉えられる。
この体制になって1年以上が経過。いまでも不満はない。

ただ、広角レンズを使った壮大な風景を捉えるとき
センサーサイズの小さなX20はやや力不足を感じる。
そこで、同じ富士フイルムのレンズ交換のできる
APS-Cサイズのミラーレスを追加することとした。

機種はX-E2にした。
一眼スタイルの機種も出ており、
ダイヤル式の操作性、防滴構造、可動式液晶には惹かれるけれど
完成度は高くないと判断した。

FUJIFILM デジタルカメラミラーレス一眼 X-E2ズームレンズキット シルバー F X-E2S/1855KIT


D7K_7763_NX2.jpg

ミラーレスの合焦はコントラストAFである。
撮像面でピントを合わせるので精度は高い。
ただし、迷うことはある。
その際にMFに切り替えて拡大して判断する。
実際にマクロ域に近い撮影では、一眼レフでもAFは使わない。
そこで手動で合わせるが、ミラーレスでもMFは十分実用になる。
可動式液晶でないこともカバーできる。
一眼レフと違って背面液晶でのピント合わせが迅速だし、
斜めから見ても判別できるので。
(一眼では可動式液晶が付いていても実際の合焦速度が付いていかない)

レンズは3本揃えることとした。
一本は35/1.4。
ニコンでも、35/2をもっとも多用している。
標準の画角は落ち着いた感じがいい。
猫も杓子も単焦点では開放で、ということはしない。
被写体への深度、像面の分解性から適切な絞り値があるはず。

FUJIFILM XFレンズ FUJINON XF35mm F1.4 R 単焦点 標準 F XF35MMF1.4 R


D7K_7769_NX2.jpg

35/1.4はポートレートにいい。
主人公とともにその時代や場所を閉じ込められるのが
標準レンズを使ったポートレートの良さ。
(換算85mmだと「作品」になってしまうし背景との関係性がやや失われてしまう)

次に、18-55/2.8-4の標準ズーム。
これ1本あれば風景写真や街角のスナップに使える。
手ぶれ補正も付いていて比較的明るい。
レンズキットで購入したので価格も安い。
1本だけというときは迷わずこれにする。

最後は14/2.8。
夕焼けの空を見るとき、
目の前に広々と森が拡がっているとき
人の眼はどこか一点を凝視するのではなく
空間を大洋のように捉えている。
その様子を標準や望遠、標準ズームで捉えても
実在感がなく、実物を切り取った「作品」になってしまう。
(表現しようとする撮影者の意図が濃くなりすぎる)

FUJIFILM XFレンズ FUJINON F XF14mm F2.8 R 単焦点 広角 F XF14MM F2.8 R


標準レンズというが、
人の心のありかた、見ようとする態度で
実は標準レンズの定義は変わってくると考える。
身体全体で眼前に拡がる光景を感じているときの
標準とは超広角の世界が「標準」ではないだろうか。
いわば、表現のための超広角ではなく、
心の動きに忠実な超広角が生きる場面があるということ。

今回のフジノンのうち、
白眉といえるのが14/2.8。
広角ズームもあるが、これほど小型軽量でありながら
歪曲が少なく、手頃な価格であって
画面を端正に調える広角レンズは
存在しなかったのではないか。

D7000で見るマクロと望遠は圧巻だ。
ファインダーに浮かび上がる被写体と
光の速さで信号をやりとりする。
(被写体と人との共鳴)
ミラーレスのフジでは撮影時のこの感動は感じられない。

広角から標準はミラーレスのフジX-E2。
マクロと望遠は一眼のニコンD7000。
広角マクロとスナップ用途にはX20。
これで、ここ数年の大切な時間を閉じ込めていこう。

FUJIFILM デジタルカメラミラーレス一眼 X-E2ズームレンズキット シルバー F X-E2S/1855KIT


D7K_7776_NX2.jpg

好き嫌いは別にして
X-E2はシルバーが断然美しい。
金属の輝きが光と影の交錯するこの世の常と常ならざるものを
見せてくれるようで。

D7K_7783-1.jpg

D7K_7792-1.jpg

D7K_7761_NX2.jpg

D7K_7797_NX2.jpg

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→ X-E2+フジノンレンズが最高に発揮されたとき
http://soratoumi2.sblo.jp/article/102109264.html

FUJIFILM デジタルカメラミラーレス一眼 X-E2ズームレンズキット ブラック F X-E2B/1855KIT

<フジノンXFレンズ

2013年09月22日

X20のフィルムシミュレーション

X20には色の再現性をシミュレーションできる。
撮影は夕刻が迫る公園のオシロイバナ。
微妙な色再現の差が出やすい。

上から、
プロビア、アスティア、ベルビア、プロネガスタンダード。
DSCF5495.jpg

DSCF5496.jpg

DSCF5497.jpg

DSCF5498.jpg

(jpegを縮小したのみ。判断に使うディスプレイはナナオのL997)

赤紫はデジカメで再現が難しい。
現に、ベルビアは飽和することが多かった。
ゆえに、ベルビアは花の写真や自然界の撮影には向かない。
全体に青みがかかるのと色の飽和が早い点に注意して、
コントラストと見映えが要求される
海や川などの快晴時に使ってみたい。
(やさしい表情を求めるときは使えない)

プロビアはハイライトがもう少し乗ってきて欲しい。
けれど、どれか1枚だけというときに
このモードを残すことが多い。
(平均的にはプロビアが優等生)

緑の再現性はアスティアが良好でハイライトも飛びにくい。
森や植物の撮影では押さえておきたい。

いずれにせよ、この色彩は記憶色である。
富士フイルムの技術からすれば、
現実の色を忠実に再現することは十分可能と思うが、
「これが忠実な色彩です」と人々に見せたとき、
反応が芳しくないことを知っている。
人は、脳内で色を補正しているのである。

「存在」をどのように認知するかを突き詰めるとき、
測定器の結果は客観的な資料として貴重であるけれど、
それを「見る」のは誰なのかという主体を考えれば、
自ずと結果が出てくる。
人が脳で処理して感じる(描く)色に忠実に再現する。
そのためには、どこそこのカーブを少し持ち上げて(下げて)といった
フィルムメーカーのノウハウがある。
フジの色再現がいいといわれるのは
人が色をどのように知覚するかを研究しているからであるが、
その一方で、やや現実感との乖離を感じるぼくのような人間もいる。
(むしろ、D7000の色彩に違和感を覚えることが少ない)。

そんな人間に用意されたのがプロネガスタンダードではないかと思う。
見た目の自然さがいい。
今回の夕暮れには、この色モードがもっと好結果であった。
フィルム時代に使っていたPKRと感触が似ている。
(フジのデジカメの真髄はこのモードにありと思う)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、2013年も多くのデジカメが販売された。
ぼくはディティールを捉えるためには
フルサイズが欠かせないと思っていたが、
今年になってその考えを変えた。

現実に、RAWでフルサイズ記録を行うと
データ量が途方もなく大きなものとなるはず。
また、RAWからの現像も面倒である。
(現在でもめぼしいコマだけを現像している)

その点、フジのXシリーズ(APS-Cミラーレス)は魅力的である。
なによりもレンズがいい。
一眼レフと比べて小さいのに価格帯満足度も含めて
描写はフルサイズ一眼レフを上回るかもしれない。

ただし、フジのXシリーズのボデーはいただけない。
大切な撮影に、このボデーだけを持っていくのは勇気が要る。
雨がふりかかる悪天候(山での撮影は半ば雨中での撮影)で動くのか、
動体も含めて一瞬のシャッターチャンスにピントは来るのか、
電池容量から来る撮影枚数も十分とは言えない。

次回機種に望むのは次の機能である。
・防滴性、防塵性
・画素数は据え置きもしくは微増(APS-Cで2000万画素以内)
・背面液晶の高精細化・大型化・可動化、EVFの精緻化
(ローアングルの撮影やスナップには可動液晶は必須であり、風景や接写にはピントの山がマニュアルでわかる見え味の良い背面液晶とEVFが不可欠)。
・操作性の改良(これについてはさまざまな人の意見と同意見)
・赤外線リモコンへの対応
・電池の大容量化&グリップの創設(機動性はソニーNEXに劣る)

これらの機能を取り入れると、やや大きくなるが、
それでも一眼レフと比べたら軽い。
これらは、XE-2(光学ファインダーの必然性は感じないので)で実現して欲しい。

その点、ニコンD7000を過酷な状況に持っていっても
結果(撮影した画)は裏切られたことがない。
絞り、シャッター、露出補正、ISO変更など
一瞬で操作できること。
(ニコンはカメラの操作がいかにあるべきかを知り尽くしている)

D7000にも弱点がある。
それは、手ぶれしやすいこと。
ミラーショックの収まり方やシャッターのストロークがしっくり来ず、
体幹を鍛えて正しく構えていても
カメラ内部での動きは人間が吸収できないので
シャッター速度が落ちてくると三脚は必須となる。
(だから70〜200/4VRを購入した。望遠レンズであるが、
手持ちで撮影する限り、35/2よりも歩留まりが良い)

APS-Cの1600万画素はバランスの取れた仕様で、
前述の信頼性の高い操作性などと相まって
学術写真や記録写真には欠かせないのだが、
手持ちでスナップ写真を撮るときなど、
フジのXシリーズに遠く及ばない。

もうひとつ、マウントから来る問題がある。
ニコンFマウントは、半世紀以上も前に決定された規格で
口径が小さくフランジバックが長い。
これはレンズ設計の技術者を悩ませていると思われる。

そのためか、現在使用中のレンズは
35/2、60/2.8 70-200/4の3本で、
作例を見る限り、APS-C用の広角ズームや標準ズームは使う気になれない。
(そこでフルサイズ化を考えたのだが…)
山野草を撮るときに使いたい広角マクロ的な使い方ができる
APS-C用の単焦点広角レンズも一本もない。
(フジXマウントは大口径かつ短いフランジバックでレンズ設計、とりわけ広角や広角・標準ズームに有利)


そこで、X20(換算28〜114)をD7000の
広角レンズ代わりに持ち歩いている。
広角〜標準域では、この小さなセンサーのX20のほうが
一眼レフ+広角(ズーム)より活躍すると考えている。

フルサイズ化を躊躇する理由として、
D7100とD600もしくはD800と作例を見て気付いたのだが、
フルサイズの二機種では、
画面に華やかさ、なめらかさが加わるものの、
自然な画という観点では、
むしろD7100が誇張感がない。
誤解を恐れずにいえば、
フルサイズではこれみよがしに写っているようにも見える。
それを迫力と呼ぶのもよいが、
ハイエンドのオーディオ装置が響かせる
絢爛豪華で空虚な音絵巻にも似たニュアンスを感じてしまう。

現時点でニコンの一眼レフでもっとも完成度が高いのは
D7100ではないかと感じている。
ただし、高画素化に伴う光芒の回折現象があるため、
絞りこむ場面のマクロでは性能を活かせないが。

そんなわけで、フジから新たなボデーが発売されない限り
D7000(標準、マクロと望遠を担当)とX20(広角〜標準を担当)で
行くことになる。



X20本体


専用フィルター、専用フード、専用キャップのセット


液晶保護シール


コンパクトな収納とデザイン性を重視するなら専用ケース
(ただし、フード付きで収納できるかどうかは確認できていない)


純正バッテリーNP-50は予備がないと一日の撮影は心許ない。
並行輸入品がコストパフォーマンスが高い。
数社から販売されていて不安を感じる人もいるだろうが、
私が購入した バッテリーはA・J・I・T・Oという販社だが、
まがうことないフジの純正の英語版表記の製品であった。
何度か使っているが問題はない。
リンク先から「新品の出品」をクリックして企業を選択する。

posted by

空と海

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2013年08月29日

成熟業界にもニッチな市場、中小企業の腕のみせどころ

ブラウン管テレビの良さ

愛用のテレビ(15インチ)が、
夜の場面では闇夜のカラスを見ているようで
ほとんど見えなくなった。
設定を最大輝度に変更しても変わらない。
20年ぐらいは使っているので、
そろそろブラウン管の寿命かもしれない。

それは、ソニーの15インチのブラウン管。
購入当時の価格は10万円を越えていたと思うが、
精緻感がありながら輪郭強調のない自然な画質と
やわらかな階調で眼にやさしい。
富士フイルムのデジカメ(高級機)が好きな人には
「ああ、あんな感じか」とわかってもらえるかも。
この画面の自然さ、奥行き感は、
この時代のソニーの「プロフィール」シリーズが
最高ではないかと思う。

ハイビジョン、プラズマなど家電店の店頭で見るテレビは、
画面がぎらぎらして輪郭がきつく画面を見るのがつらい。
販売店では化粧(店頭効果)をしているのだろうと
画質設定を地味な方向に振ってみる。
すると、ギラギラは収まらないまま
画面の躍動感が消えてつまらなくなる。
厚化粧をとれば、実は…ということでなければよいが。

日本製の優位が薄れたのは価格競争に敗れたからではなく、
使い手の暮らしを見つめなかったからではないか。
テレビは20年前に性能のピークを迎えてしまい、
その後はコスト競争を理由に、
プラズマ、ハイヴィジョン、4Kと
ひとりよがりの高付加価値をめざしたが、
その戦略は海外メーカーにことごとく破れた。
(現実的に、アナウンサーの顔に皮脂が見えるとしたら、それは解像感を演出するため過度の輪郭強調等の画像処理を行っているのではないか。そんな画面が見えて誰もうれしい人はいないけど)
スマートフォンも同様だろう。

目の健康〜ブルーライト問題〜

パソコンやスマートフォンが普及するに従い、
目の疲れ、肩のこりを訴える人が出てきた。
(一日中、いじっている人はダメだろう)
長時間の作業は避けるべきなのはいうまでもない。
しかし、そうした不満(ニーズ)に応える眼鏡はなかった。
いや、あったのかもしれないが、
パソコン等から出る青い光が網膜や脳に与える悪影響を
ブルーライトというわかりやすい言葉で
とある眼鏡チェーンが訴求した。
(現在、有効性をテスト中)

すると、口コミで拡がり、
いまや百万本を越えるベストセラーとなった。
眼鏡(=度数)を必要としない人たちにも購入されるなど
業界では異例のことである。
電子画面に囲まれた生活で目を守るために
できることを提案することで新たな需要を喚起した。

【参考】目の疲れを防ぐ背景色と文字色の設定を試す(秀丸)
フォントはメイリオ。
黒基調にオレンジ文字は疲れないのではと考える。
ただし紙資料を交互に見ることを考えれば、
やや行きすぎかもしれないが。
DSCF5353a.jpg

DSCF5352a.jpg

放送弱者の切り捨て

わが家にはもう1台、
15インチのアナログテレビがある。
これも2015年には
デジタルアナログ変換が中止となるので
それ以降は使えなくなってしまう。

高齢者の一人暮らしなどの家庭では困る人も少なくないので、
このサービスは継続すべきだろう。
放送のデジタル化で
テレビ音声のFMでの音声受信もできなくなっている。
放送とは公共性が生命線なのに
次々と放送弱者を切り捨てている政策はいかがだろう。

エアコンと冷蔵庫とどう向き合う?

省エネルギーの視点から、
古いテレビは
新型に置き換えるべきとの意見もあるだろうが、
小さな音量と適切な輝度設定で使う限り、
電力消費が問題にはなることはないだろう。
エアコンの温度設定を1度下げるだけで
電気の使用量は10%下がるなど、
電気の消費量の多いエアコンと
冷蔵庫のマネジメントを行うことが
省エネルギーの近道である。
逆に画面の大型化に伴う消費電力が増大するうえ、
視力への影響、ブルーライト問題など、
家庭生活ではマイナス面も少なくない。

ほんとうに好きな人がつくる家電

ほんとうに欲しいものが家電品からどんどんなくなっていく。
家電の本質を見抜いた提案を行っていたサンヨーも
中国メーカーに買収された。
例えば、炊飯器一筋に研究を重ねて
「飯炊きおじさん」といわれた下澤理如さんが
つくりあげた電気炊飯器
(10年前に購入していまもわが家で活躍中)は
おいしい米が炊けると評判になった。
下澤さんはさらに米でパンを焼けるGOPANの開発も行った。

一定の温度で調理ができる電子レンジもサンヨーのみ。
旨味の本質を考えて調理を行う人には宝物のような機種で、
たかだか3万円であったため生産終了時に2台購入した。

スマートフォンで操作ができることを
アピールするメーカーもあったが、
おいしい料理を提供するという
本質的な価値とどちらが大切だろうか。
お節介機能やマイナスイオンなどの
「ギミック」に傾倒したメーカーは
その後業績が悪化していった。

洗濯機も然り。
こうした優れものの技術、人材が
日本から消えようとしている。
白物家電はコストダウンが著しい分野で、
高付加価値をめざす日本のものづくりが
手を出すジャンルではないと判断したのだろうが、
サンヨーの価値に気付かず手を差し伸べようとしなかった。

ここでの教訓は、投資効果やROIのみを見ていると
顧客が見えなくなるということである。
もうひとつは、
その分野に熱意を注ぐ個人やチームが
担当すべきということである。
料理をしたこともないサラリーマンが
電子レンジを担当し、
そんな人たちが合議制でものづくりをすればどうなるか。
その結果、made in Japanの銘が
必ずしも優れた製品の証でなくなったことは残念である。

ジェネリック家電 大手家電メーカーのすきま市場をねらう

ところが、大手が撤退した白物家電で、
日本の中小メーカーのが参入が続いている
(ジェネリック家電とも呼ばれる)。
これらのメーカー品は、
海外品と対抗できるぐらいの価格で
ホームセンターなどで売られていたが、
この頃では家電量販店でも見かけるようになった。

エアコンのない事務所なので
風を送るための扇風機を8月の中旬に購入した。
それまで導入しなかったのは、
扇風機は書類が飛ぶなど実用性がなかったのと
昨年まではエアコンがあったからである。

そこで扇風機をと、ケーズデンキに見に行った。
(家電業界のなかで接客と商品知識は群を抜いていると思う)
ふと目に止まったのは、
32段階に風量を調節できる機能がある機種。
その風のまろやかさに心を動かされた。
つくりの良さも直感的に感じた。
TOYOTOMI 【DCモーター搭載】ハイリビング扇風機 ホワイト FS-DC300DHR(W)

トヨトミ FS-DC300DHRの使いごこち

楽しみにしながらまずは寝室で使ってみると、
一晩中当たっていても疲れない心地よい微風。
(タイマーで消す必要がないぐらい自然の風だった)

しかも直流モーター仕様でほんの数ワットで駆動する。
トヨトミは昨年末に購入した石油ストーブが良かった。
心も身体も温まるもので、なおかつつくりが良い。
もしかしたら、扇風機も期待できるのではと思ったが、
安かろう悪かろうの製品とは一線を画すモノであった。

購入してからわかったことであるが、
モーターを格納している容器は不燃処理があり、
コンデンサーにも注意を払っているとのこと。
電源の安全性、製品の耐久性に
深く関わる重要な部品でありながら
スペックに現れない部品なので
まっさきにコストダウンの対象となる。

実は、コンデンサーの件で
トヨトミ社にさらに電話で問い合わせを行い、
本機の安全機構の確認を行った。
本機に関しては、ACアダプターを介して
低電圧で駆動するので
コンデンサーの対策は特に必要なく
駆動部に負荷がかかることは少ないとのこと。
DC扇風機の隠れた利点が見えてきた。

ファンケースに触れると、回転が一時停止する機能などは
小さい子どもがいる家庭向けの機能である。

それが必要かどうかは別にして、
暮らしの一こまに思いをめぐらせて
設計されたものであることは間違いない。
この扇風機は9千円で購入できた。
TOYOTOMI 【DCモーター搭載】ハイリビング扇風機 ホワイト FS-DC300DHR(W)

このように家電が失った上質の暮らしの提案を行ったり、
なかには、よい素材とデザインや質感を磨き上げて
大手メーカーよりも高い値付けを行い、
消費者に支持されている例もある。

暑い夏もエプソンダイレクトのデスクトップPCで乗り切れる

ぼくが主力で使っている
エプソンのデスクトップパソコン(MR6900E)も
電源まわりのコンデンサーには
日本製の信頼できるパーツを使用。

エアコンのない事務所で気を付ける点は
パソコンのハードディスクの温度である。
しかし、MR6900Eは排熱が優秀で、30度を超える室温でも
ハードディスク内には熱はこもらない。
35度近くに気温が達した日でもトラブルは皆無である。
ハードディスクの増設や換装のしやすさはピカイチだし
ホコリも内部に溜まりにくいが、清掃も容易だ。
だから、夏場でも安心して使える。

排熱性に優れた機種では、
ファンがうるさいだろうと心配する人もいるだろうが、
パソコンを選ぶ最優先項目に静粛性を選ぶぼくでも
まったく気にならないし、音楽鑑賞にも使えるほどである。
(PCスピーカーとしてタイムドメイン・ライトを使っている)
その理由は、新日鉄に特注した
厚めの鉄板を使っているということも原因だろう。
エプソンは単なる部品の組立屋ではなく
細部に至るまで自社特注部品をカスタマイズし
徹底的にテストを重ねて
システムとして磨き上げたもの。

エプソンダイレクトは納期も早いし保守体制も万全。
その代わり、他の直販メーカーと比べれば
価格が高めに設定されているが、
それらはすべて
安定して末永く稼働させるための品質にかけたもの。
(これに匹敵するのは、かつてのThinkPadぐらいだろう)。
トラブルで業務が滞るリスクと比べると
たかだか数千円程度の差。
日経が毎年行っているユーザーの満足度評価では
トップではなかったか。

ということで、
MR6900Eは、これまで購入したすべてのパソコンで
もっとも満足している。
CPUの処理速度と価格対比などどうでも良い。
安心して使える安定性、保守性の良さが決めて。

Windows7Proの64bitに
以前に購入していたXPを追加インストールして
自己責任でデュアルブート仕様にしている。
BIOS起動時に手動切り替えを行い、
デフォルトでは自動的にXPが立ち上がるようにしている。

Web上でも品質(製品そのもの、サポートとも)への評価は高いようだ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1227/hot351.htm
http://okwave.jp/qa/q3218015.html

現行機種では、その後継のMR7200Eとなる。
エプソン Endeavor MR7200 350W電源搭載モデル(MR7200E-L)



自宅用にコンパクトなデスクトップでは、この機種がおすすめ。


(以前に使っていたデルの4600Cは排熱が悪いうえ、つくりが粗雑で信頼はなかった)。


小さくても良質のテレビを求める

話をテレビに。
15インチの性能の良さそうな液晶テレビを調べてみたが、
見つからない。
テレビを置く場所の寸法は横幅40センチが限度であり、
壁に掛けることも不可能なので、
せいぜい20インチが限度
(小さい画面は解像度が高く良質の画像が得やすいのも理由)。
残念ながら、小型で上質のテレビを求めるニーズに
応えるメーカーはないようである
(10〜20万円でもそれを必要とするニッチな市場は確かにあるはず)。

その後、ブラウン管は他の方式と比べてブルーライトが
圧倒的に少ないことが判明。
流行のLEDは特に青色発光性にピークがあるものが多く
ブルーライトが多い(家庭用の照明としてもどうなのだろう)。
(↓こちらのリンク先の情報は必読)
http://bizmakoto.jp/style/articles/1206/01/news047.html

あまり知られていないが、
LEDは、雷時のサージ電流の保護も問題となる。
(球本体が高価なだけに)
動画の応答性が良いことなどと併せて
ブラウン管方式が見直されて良いし、
少量でもプレミアム感のある小型ブラウン管を
現代の技術でもっと尖らせてみるのもおもしろいと思うが。


通話(音質)の良さでウィルコムのPHS しかし… 

電話で大切なやりとりを行うため、
音質が良いPHSを10数年使っている
(電話機能を重視するなら通話がしにくく音質が悪いスマートフォンはあり得ない)。
ただしPHSには、
他社が行っているように災害時の情報源としてエリアコール機能は欲しい。
毎日のようにウィルコムからの販促メールを受け取っているが、
災害時の一斉送信のサービスはいまだに行われていない。
また、メーカーにも数年来要望を出しているが、
日本のIT活用の先進地区である上勝町が
いまだにエリアとなっていない。
おばあちゃんがスマートフォンを使って農産物の出荷を行い、
マイクロソフトがICTで提案を行い、
ドコモがスマートフォンの普及を支援し、
海外からも視察が来ている地区であるにもかかわらず。

デフレも海外も関係ない まず人々の暮らしに寄り添うこと(そしてその想像力)

日本の企業が埋没しないためには、
生活者の暮らしに寄り添うこと。
そして、思いのある技術者の夢に懸けること。
責任を取らないチームの合議制で決めないこと。

成熟市場でも細分化すれば、
ニッチな市場で人々の幸福を提供する機会は無限にある。
成長分野のみに補助金を投入するのではなく、
国民生活を潤す試みを支える施策を考えるべき、
というのは経済産業省への提言。

追記

購入したブルーライト対応グラス「JINS PC」
実際に徳島クレメント2階の実店舗で試着してみたが、
レンズが大きいほうが大画面や首振りにも対応できる。
透明のクリアタイプよりも、
青色光カットが大きく可視光透過率も85%が確保され
独自の調光特性を持つハイコントラストタイプが良かった。



購入したトヨトミの32段階調節のDCモーター扇風機
9枚羽のやわらかな風と落ち着いたデザイン。


2013年05月11日

体幹を意識して歩き、五感にスイッチを入れる。わかりやすい山野草はこの図鑑で

見ればみるほど見慣れない。
新種か?とわくわくした。

DSCF1953a.jpg

ここは上勝町の旭川沿いの散歩道。
遊びではなく、仕事で来ている。
複数の訪問先の間にこの遊歩道があるため、
歩いてみた。
地元のみなさんが「花の散歩道」と名付けた
川沿いの花の小径である。

DSC_2675.jpg

DSC_2670.jpg

DSCF1964.jpg

さっそく持ち帰って、
「山渓ハンディ図鑑」の野に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)を最初からめくってみる。

徳島で見かける山野草の同定には
「野に咲く花」か、
同時に改訂された山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
に掲載されていることが多い。
詳しいのにコンパクト。
二十数年ぶりとなる2013年春に改訂増補されたもの。
写真と文章の量が適切で
現時点でもっとも使いやすい山野草の図鑑と思う。
(これに似たような図鑑は他社から販売されていない)

その花は「野に咲く花」の469頁に掲載されていた。
サギゴケ(ムラサキサギゴケ)という。
(写真が鮮明でクローズアップもあるので一目でわかる)。

「サギゴケ」の撮影日時は
「2012.4.30 八王子市」となっている。
(撮影日と撮影場所が記されている)。
改訂に伴い写真もグレードアップされたものと思われる。

徳島県の那賀川中流域にしか分布しないという
ナカガワノギクもワジキノギクも518頁に大きく掲載されている。

辺り一面に咲いているのはシャガ。
DSCF1959-1.jpg

「高山に咲く花」も改訂が予定されているが、
四国にいる限り、
「高山〜」の必要性は感じない。
それでも眺めるだけで楽しいので
ぼくは持っている(旧版だが)。






新しいヤマケイのこのシリーズは、
DNA分析に基づく分類がなされており、
現時点で最新の植物図鑑といえる。
全景とともに、部分のクローズアップが掲載され、
同定しやすい。
また、類書と比較して写真も比較的新しい。

DSCF1955a.jpg

似たような花だが、これはカキドオシだろう。
452頁にクローズアップの写真があって同定できる。

600頁を越える図鑑を最初からめくっていくのは
時間がかかりそうだが、実際はそうではない。
似たような種類が集まっているので
読み飛ばしていける。

名前を見て説明を読んで納得。
こうしてみると、
人はイメージ(絵)だけを記憶するのではなく
それに論理的要素や記述を連関させて
脳に刻んでいくことがわかる。
イメージの固定とでもいおうか。
逆に文字や論理からイメージを引き出すこともできる。

自分の脳の動きを意識する、
自分の身体の幹(体幹)を意識する、
これを日常的に無意識に行っているようだ。

山を歩くとき、とりわけ最初の半時間、
もしくは傾斜がきつくなるときなど
ぼくは意図的に歩幅を小さくする。
(かかととつま先が接近するぐらいの小さな歩幅)。

足の裏は斜面を自在に捉えるよう力を抜く。
体幹はぶれないように丹田に意識を置く。
いわゆるナンバ歩き。
何時間歩いても疲れないという不思議さ。

→ この本で体幹とナンバ歩きの知識を修得した。
身体意識を鍛える―閉じ込められた“カラダのちから”を呼び覚ます法

ナンバ歩きは日常にも応用できる。
重心の移動によるエネルギーの損失がないことと、
体幹がぶれないことで
荷物が多いとき、
疲れたときに有効だ。
楽なだけではなく、
ナンバ歩きのさらに優れたところは、
とっさにトラブルを避けられる可能性が高いこと。
(近年ではオリンピック選手を中心にナンバ歩きの動作を取り入れるアスリートが増えている)
ぼくは無意識にナンバ歩きを行っているが、
見る人が見なければ、ナンバ歩きだと見抜けないと思う。

歩くことは
五感のセンサーをすべて活用する高度に知的な遊び。
スマートフォンをいじったり
iPodを耳に接続することで
五感のスイッチを切ってしまうのは
もったいない気がする。

だって、日常のなかに宝物はいっぱい隠されているのだから。

(花のクローズアップはフジフィルムのX20。jpegそのままをトリミングしただけ。色彩は落ち着いているのに抜けがよい)
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